【歯科医師国家試験】子どもが国試勉強をしない理由と親ができる対処法
- 公開日:2023.06.06
- 更新日:2024.04.11
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歯科医師国家試験受験生の娘さん・息子さんがいらっしゃる親御様の中には、
「子どもが全く国試勉強をしていない…」
「予備校には通っているけど、家では勉強している様子がない!」
「勉強しない言い訳ばかりを口にしている…」
「秋ごろになると、急に勉強しなくなる(予備校に出席しなくなる)」
といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
大学に6年間通わせたのに、国家試験に合格するための勉強をしてくれないお子様を見ていると「将来、本当に歯科医師になれるのだろうか…」と不安になってしまう気持ちはとてもよく分かります。
しかし、お子様が勉強をしない・できない理由には、複雑な原因が絡み合っている可能性があるのです。
そのような時は、まずは勉強しない・できない理由を原因別にしっかりと考えて、適切な対策をとることが重要です。
そこでこの記事では、
- お子様が国試勉強をしない・できない理由
- 原因別のパターンと対策方法
- 本質的にやる気を出すために必要なこと
- 国試勉強をしないお子様を合格させた実例
を詳しく解説します。
あなたがこの記事を読めば、勉強をしないお子様に対しての最適な対策が分かるようになるでしょう。
ぜひ、最後まで目を通してみてください。
目次
1章:お子様が国試勉強 をしない・できない理由
お子様がなかなか国試勉強をしない・できない理由を「理由は色々あるが、結局のところは本人のやる気がないから」などと決めつけていませんか?
お子様が勉強しない真の理由が分からないまま、親御様が口出しをしてしまうと逆効果となるばかりか、最終的にはお子様との関係性が悪くなり、受験自体を諦めてしまう可能性もあります。
じつは、お子様が勉強をしない・できない理由には、さまざまな原因が複雑に絡み合っている可能性があるのです。
その原因は大きく分けて3つ考えられます。
- 原因がお子様にある場合
- 原因が親にある場合
- 原因が環境にある場合
そこでまずは、上記の3つの原因に分け、適切な対策方法を知ることが重要です。
次の章からは、それぞれ原因の詳しいパターンと対策方法について解説していきます。
2章:原因がお子様にある場合のパターンと対策方法
お子様が国試勉強をしない際に、真っ先に考えられることとしては、原因がお子様にあるということです。
2-1:原因がお子様にあるパターン
原因がお子様にある場合のよくあるパターンを挙げていきます。
2-1-1:難易度の高さに尻込んでいる
お子様が国家試験の難易度の高さ・合格率の低さに尻込んでしまっていて、「どうせ自分なんて受からない」と合格することを諦めてしまっている可能性があります。
実際に過去CBT(臨床実習前共用試験)に落ちてしまった経験がある、もしくは国家試験に落ちてしまった先輩や留年している人を目の当たりにするうちに自信がどんどんなくなってしまったことも考えられます。
確かに、歯科医師国家試験の合格率は61.6%(第115回)と、医療系の国家資格の中では1,2を争うほど低い合格率となりますので、数値だけで見ると難易度が高く思われてしまうことでしょう。
また、大学の定期試験などとは異なり、暗記だけでも対応できるような問題が少なく、本質を押さえていなければ解けないような問題が国家試験では多数出題されることも、国家試験を難しいと捉えてしまいがちな原因の一つとして挙げられます。
2-1-2:受験勉強のやり方が分からない
お子様が、
- 大学受験から長い時間が経っている
- 大学受験で試行錯誤しながら勉強した経験がない
といった場合は、1年間を通して戦い抜く「受験勉強」のやり方自体が分かっていないこともありえます。
特に私立歯科大学の場合は、歯科大学受験専門予備校に言われるがまま学校別の対策(小論文・面接のみ)だけをして合格したという方も多いので、国家試験という総合力を測る試験自体に不慣れであることも考えられます。
2-1-3:大学の勉強がつまらないと感じている
国試勉強に取り組む気にならないお子様に多いのが、大学の毎日変わり映えしない講義や何度も繰り返される学内試験に辟易してしまい、大学の勉強は国家試験と関係のない細かいものばかりと思い込んで、勉強自体を「つまらなく、意味のないもの」と捉えてしまっているパターンです。
他大学に比べて歯科大学・歯学部は留年率も非常に高く、6年間という長い間、常に競争環境に晒されてきたことで勉強自体をとても苦痛に感じてしまっている可能性もあります。
2-1-4:部活や趣味などやりたいことがある
部活やサークル活動、趣味などに熱中しているあまり、国試勉強への切り替えが上手くいっていないというパターンです。
また、何かやり残したまま部活やサークルを引退してしまった、1年間離れると今までの経験が失われるような趣味を持っているといった場合は、国試勉強をする心の余裕が持てないといった可能性もあります。
また、仕事をしながら国試勉強に臨んでいるような浪人生は、勉強よりも仕事の方が「やりがい」や「給料」という短期的な結果が得られやすいためそちらを楽しく感じてしまうような傾向もあります。
2-1-5:歯科医師になるという意志が薄い
このパターンは、
- 歯科医師になることが自分の意志ではなく、親から言われたから何となく目指している
- 大学生活や浪人生活を送る中で歯科医師になりたいという気持ちが薄れてきてしまった
というようなケースです。
このような場合は、合格した先の歯科医師としての未来に希望を抱いておらず、そもそものやる気が起こらないといった可能性があります。
また、勉強する気が起こらないものの、自分が勉強をしていないことに引け目を感じており、苦しさや葛藤を抱えている傾向が高いです。
受験自体を辞めるという言い出す勇気や決断ができずに、ずるずると何年も浪人生活を続けてしまうこともあります。
2-2:対策方法
ここまで、国試勉強をしない・できない原因がお子様にある場合のパターンついて説明してきました。
それら原因を踏まえた上で、具体的な対策方法をご紹介します。
2-2-1:最低限必要な勉強を把握する
お子様が国試勉強をするためには、
- まず取り組むべき明確なタスク
- 最終的な勉強のゴール
の2点を明確にした上で、自分にとって無理のない最低限の勉強から始めることをおすすめします。
国試勉強のやり方が分からない人に多いのが、受験範囲の膨大さに圧倒され、曖昧に「難しい」とか「自分にはできない」といったイメージを抱いてしまい、とにかく言われたまま素直に「全て暗記」で乗り越えようとしていることです。
そこで、自分が取り組むべき最低限の勉強内容が具体的になれば、そのようなイメージが払拭され、「まずはやれることから始めよう!」と思い立つことができるでしょう。
最低限取り組むべき勉強は以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【歯科医師国家試験】効率的な勉強法を解説、科目・分野別のおすすめ勉強法
2-2-2:得意or楽しめる科目の勉強から始める
勉強自体がつまらないと感じている場合、得意な科目や、興味を持てて楽しめるような科目の勉強から始めることを対策として挙げます。
そのような科目がないといった場合でも、勉強へのハードルが比較的低い 分野から勉強を始めることで、徐々に「自分はできる」という成功体験を積んでいくことが重要です。
得意科目だけ勉強しても、結局は苦手科目を克服しなければダメなのでは?と思われるかもしれませんが、近年の国家試験では科目間に共通する知識が重点的に問われている傾向にあります。
そのため、まずは勉強に対する抵抗が少ない科目から勉強していくことで、後で苦手科目に取り組んだ際に科目間の横断的な知識がスムーズに理解しやすくなる可能性が高まります。
詳しくは「合格基準」について解説した以下の記事の「3-2:まずは得意科目を勉強して苦手科目をカバー」をご覧ください。
2-2-3:周りから刺激を受けるようにする
国家試験の難易度の高さに尻込んでいたり、他に熱中していることがあり国試勉強へ気持ちが切り替えられていなかったりする場合は、周りの同級生や歯科医師の知人、予備校の講師などと話してみて刺激を受けることもひとつの手です。
(その際の注意点は、不合格になりやすい人が集まったグループには参加しないことが重要です。)
そうすると、自分だけが難しいと感じていた国家試験が、周りの人も同じように不安を感じていると気付くことができる可能性があります。
また、部活や趣味に取り組みながらも並行して国試勉強を成し遂げたというエピソードを聞くだけでも、気持ちが楽になるでしょう。
そのような、困った時に相談できるような人を持つことは、1年間という長い受験生活のさまざまな場面で良い影響を与えてくれますので、まずはそれらの人に声を掛けてみることから始めましょう。
2-2-4:なりたい将来像を明確化する
国試勉強を取り組むモチベーションを上げるためには、合格して歯科医師になった後の自分を具体的にイメージすることが重要です。
- 自分がどんな歯科医師になりたいか分からない
- 歯科医師という職業に曖昧なイメージしか持てていない
という場合は、まずは周りの人に聞いたり、ネットで調べたりして、歯科医師という仕事自体を深く知ることから始めてみるのも良いでしょう。
また、歯科医師免許を活用しながら別の仕事に就いている人も多いので、受験自体を諦めることと、この1年だけ頑張って歯科医師のライセンスを取ることのメリットを天秤にかけてよく考えてみましょう。
当メディアを運営する「60日合格塾」では、受験勉強とは直接関係ない将来の悩みなども無料で親身に相談に乗ります。
自分の将来像にお悩みの際は、ぜひお気軽に相談してください。
3章:原因が親にある場合の対策方法
次に、お子様が国試勉強をしない・できない理由として、原因が親にあるということも考えられます。
3-1:原因が親にあるパターン
原因が親にある場合のよくあるパターンを挙げていきます。
3-1-1:過去の受験エピソードなどを話してしまう
親御様が歯科医師の方に多いパターンとして、
「自分はたいして勉強していなけど合格した」
「自分の受験時代に比べて努力が足りていない」
などとお子様のことを期待している反面、自身の受験エピソードを一方的に話してしまうことです。
例えば、約30年前の第85回歯科医師国家試験の合格率は83.5%と、第115回よりも数値上では約1.4倍も受かり易い試験でした。
加えて、現在の試験範囲はインプラントなどの新しい技術や高齢者歯科など多岐に広がっており、当時と比べて覚えなければいけない範囲が膨大になってきています。
このような時代の変化はしょうがない面もありますが、現代の受験生ではない親御様はその感覚のズレになかなか気付くことができないのです。
そのため、その当時と現在を同じものさしで比べてしまうことは、お子様にとっては全く当てにならないアドバイスであるばかりか、お子様のやる気を最も削ぐ行為と言ってもよいのです。
3-1-2:お子様の勉強に干渉しすぎている
お子様が勉強しないことに不安を感じて、
- 「そろそろ勉強したら?」といった小言
- 勉強の進捗状況を頻繁に聞く
- お子様の意思に反して勝手に予備校のパンフレットなどを集めて渡す
などの行動は、自分自身のペースで勉強を進めたいと思っているお子様にとっては不要なノイズになってします。
不安になってしまう気持ちは、どの受験生の親御様も同じです。
しかし、お子様がお子様自身のために受ける試験に親が干渉するということは、お子様の主体性や意思を妨げてしまう行為なのです。
3-1-3:無理やり歯科医師にさせようとしている
親御様としては、お子様が歯学部に進学したからには当然歯科医師を目指してくれるものと思い込んではいないでしょうか?
お子様が歯学部への進学を決めた当時は、まだ自分の将来についてきちんと考えられていなかったため、親が勧める歯科医師への道をなんとなく受け入れてしまった可能性があります。
また、歯学部に6年間通う間に未成年から成年へと成長するうちに気が変わったり、既に社会人として働き始めた友人などの話を聞いて、自分の本当のやりたいことが見つかったりしていることも考えられます。
もちろん、親御様としては高額な学費を出してきた以上、簡単に歯科医師の道を諦めることは受け入れ難いですが、お子様が自分の将来に対して踏ん切りがついていない可能性も考慮に入れておくことが必要です。
3-2:対策方法
ここまで、国試勉強をしない・できない原因が親にある場合のパターンついて説明してきました。
それら原因を踏まえた上で、具体的な対策方法をご紹介します。
3-2-1:基本的には見守り、変化は認めてあげる
歯科医師国家試験は、大学受験までとは異なり、またお子様も成人していることもあり、ある意味「就職試験」と同じ類の試験ともいえます。
そのため、基本的には親御様はお子様が合格するまでは日々見守ることだけに徹してあげた方が良いでしょう。
そして、親御様が積極的に行うべきことは、定期的に親御様から見たお子様のプラスの面の変化を褒めたり、伝えたりしてあげることです。
例えば、
- 予備校や大学に出かける時間が少しだけ早くなった
- 少しだけ遅い時間まで勉強机に向かっていた
- ちょっとした隙間時間にテキストなどを眺めていた
といった変化などです。
これらは、親御様から見たらとても小さな変化かもしれませんが、その変化はお子様にとっては大きく意味のあるものなのです。
そして、そのような小さな一歩でも少しずつ続けていけば、いずれ本格的な「勉強のスイッチ」が入る可能性があります。
今、勉強が捗っていないお子様は、自分の中でさまざまな葛藤をしている状態であり、それを見守りつつ、前に進めるように導くのが親御様の仕事です。
親御様も心苦しくなることがあるかと思いますが、いま一度お子様を見守り、信じるようにして下さい。
もし、どうしても心配でしょうがないというような場合は、大学の事務や予備校の講師・チューターに相談してみることもおすすめします。
3-2-2:生活リズムや環境を整えてあげる
お子様が安心して勉強を始められるようにするには、無理のない範囲で親御様が生活リズムや環境を整えてあげることをおすすめします。
- 毎日の食事の時間を統一する
- 勉強のやる気を削ぐ物を部屋に置かない
- 親がだらけている姿を見せない
- 栄養バランスに偏りがでないよう支援する
- 勉強だけに集中しやすい環境に引越しさせる
- 定期的に電話やLINEなどの連絡を送る
など、親御様がサポートしてあげられることは多岐に渡ります。
お子様が「親にしてもらえたら助かる・嬉しい」ことを積極的に行ってあげましょう。
3-2-3:歯科医師のメリットを改めて伝える
もし、お子様にとって歯科医師になることが本意ではないとしても、6年生までの進級試験を突破し、受験生になったということは、ある程度歯科医師になる覚悟を持っているともいえます。
ここまできたからには、とりあえず歯科医師免許を取得することはお子様の人生にとっても損はないはずです。
そこで、お子様が歯科医師免許を取ることのメリットをしっかりと理解できるように、親御様の口から話してあげることが効果的です。
例えば、歯科医師免許を取ることのメリットとしては、
- 社会的信用につながる
- いつでも働き口がある安心感を得られる
- 歯科業界に関連する仕事を請けられる
- 努力のアピールができる
- 自分の自信につながる
というように、メリットは挙げ出せば切りがないでしょう。
そのため、このような切り口からお子様が国試勉強をすることを勧めてあげることもひとつの手といえるでしょう。
3-2-4:第三者(予備校・塾)などに任せる
なかなか国試勉強をしないお子様にとっては、いくら身内から何かを言われたとしても、自発的に勉強する気が起こらないものです。
そのような時には、予備校や塾のような信頼できるプロの手に委ねることも重要です。
なぜなら、国試勉強を始める上で一番の鍵となる「必ず出題される知識・頻出の知識」を正確に把握するためには、受験のプロから教えてもらうことが最も手っ取り早いからです。
また、過去に予備校・塾に通っていたけど辞めてしまったような場合は、今までとは違うアプローチから塾選びをサポートしてあげると良いでしょう。
親御様がお子様の予備校・塾選びを適切にサポートするためには以下の記事の「4章:【親御様向け】後悔しないお子様の予備校・塾の選び方」もぜひご覧ください。
【歯科医師国家試験】大手・中堅予備校と個別指導塾の違い、適切な選び方
4章:原因が環境にある場合の対策方法
これまで、国試勉強をしない・できない理由として、お子様・親にある場合を紹介してきましたが、お子様を取り巻く環境が原因ということも考えられます。
4-1:原因が環境にあるパターン
原因が環境にある場合のよくあるパターンを挙げていきます。
4-1-1:居住環境や勉強環境が適切でない
普段の居住環境や勉強環境が適切でないことも、勉強が捗らない原因の一つとして挙げられます。
以下は適切でない環境の例です。
- 周囲の騒音が多く集中できない
- 静かすぎて逆に集中できない
- 予備校や塾に通うのに時間がかかる
- 自習室や図書館がない・遠い
- 繁華街が近く、誘惑が多い
- 勉強に適したデスク・チェアでない
- 勉強机とベッド・ソファが近い
- 人目がなくサボりがちになってしまう
もちろん、本人の努力次第でこれら環境面のマイナスを払拭できる人もいます。
しかし、このような適切でない環境で勉強することは、勉強へのハードルを上げてしまう一因になりますので、改めてチェックしてみることをおすすめします。
4-2-2:周りに友人・仲間がいない
国試勉強が捗らない受験生に多いのが、ひとりぼっちで勉強しているというパターンです。
もちろん、受験勉強は己自身との戦いであることは間違いありませんが、1人で勉強する孤独に意識的・無意識的にプレッシャーを感じてしまう場合もあります。
同級生も国試勉強で忙しくなり話す機会が減ってしまった、留年や浪人を繰り返すうちに友人が離れていってしまったというように、受験生活では必然的に孤独になり易いため注意が必要です。
4-1-3:大学・予備校が合っていない
大学5年生では臨床実習主体だったものが、6年生で卒業試験・国家試験主体のカリキュラムになった途端に、講義や試験の回数が増え、そのギャップに戸惑ってやる気を失ってしまうことがあり得ます。
また、予備校・塾では、自分に合っていない講義・勉強形式や、講師との相性が合わないなどの理由で、勉強をする気が損なわれてしまうこともあります。
これらは一見、親御様目線で「甘え」と捉えてしまいがちですが、環境が合っていなければ、いかに気合いや根性があったとしてもどうにもならないこともあるのです。
4-2:対策方法
ここまで、国試勉強をしない・できない原因が環境にある場合のパターンついて説明してきました。
それら原因を踏まえた上で、具体的な対策方法をご紹介します。
4-2-1:自宅の勉強環境を整える
自宅の勉強環境を整えることは、やる気を出すための最もお手軽な対策ともいえます。
例えば、
- デスクと壁の間に空間を設けてみる
- デスクの高さを変えてみる
- デスクには勉強道具以外置かないようにする
- 長時間座れるようなチェアに変えてみる
- 家具のレイアウトを変えてみる
- 照明の明るさ・色温度を調節可能なものにする
- アロマなど匂いにも気を使ってみる
- 部屋の壁紙を集中しやすい色に変える
といった対策を講じてみることをおすすめします。
また、ずっと自宅で勉強していることも気が詰まってしまう原因ともいえますので、「たまにはカフェで勉強してみたら?」などのアドバイスも効果的かもしれません。
ほかにも、騒音対策でノイズキャンセリングイヤホンを使用したり、Youtubeなどで集中できる周波数の音源を流したりすることも一つの手です。
4-2-2:引越し・下宿などを検討する
どうしても今の環境では勉強が捗らないといった場合は、余裕があれば思い切って引っ越し・下宿などをして、環境をガラっと変えてみることがやる気の湧くきっかけになる可能性もあります。
人は住む場所が変わると、誰しも心機一転新しいことを始めてみたくなるものです。
また、引っ越しをする時に必要なものを厳選して、余分なものを持っていかないことで強制的に勉強する環境を作り上げることもできます。
4-2-3:切磋琢磨できる仲間を見つける
やはり受験生活では、互いに刺激を与え合い、切磋琢磨していける同じ受験生仲間がいると心強いものです。
でも、もし周りにそういった仲間がいないのであれば、新しく見つけることはなかなか難しいですよね。
しかし現代では、リアルで会う友人以外にもInstagramやTwitterなどのSNSを活用すれば、同じ境遇の仲間を見つけることも期待できます。
また、勉強系YouTuberといわれるような、どんな勉強にも通用するモチベーションが上がる動画などを配信していたり、一緒に勉強をするライブ配信を行っていたりする人もいますので、彼ら・彼女らを有効活用してみることもおすすめです。
もし時間があれば、親御様側でもそのようなSNSやYouTubeを調べてみて、お子様に勉強の息抜きがてら紹介してみることも良いでしょう。
4-2-4:適切な予備校・塾に入る
自分に合った予備校・塾に入ることは合格への近道です。
特に、自分と相性の良い講師を見つければ、理解度が格段に上がるだけでなく、受験までのモチベーションを保ち続けてくれるでしょう。
しかし、何が自分に合っていて何が合っていないかを自分自身の視点だけで判断することは難しいです。
そこで、こちらの記事を参照してみてください。
1章では、大手・中堅予備校と個別指導塾の違い
2章では、各予備校・塾のメリット・デメリット
3章では、自分に合った予備校・塾選びのポイント
を解説しています。
【歯科医師国家試験】大手・中堅予備校と個別指導塾の違い、適切な選び方
5章:本質的にお子様がやる気を出すために必要なこと
ここまで、お子さまが国試勉強をしない・できない原因別のパターンとその対策をご紹介してきました。
しかし、あくまでそれらは対処療法的な対策にしか過ぎません。
この章では、本質的にお子様がやる気を出すために必要なこと3つをお伝えします。
これらの必要なことを一朝一夕で身につけることは難しいでしょうが、今後の歯科医師人生を送る上でも、これらの能力は必要となりますので、できるところから実践していきましょう。
5-1:勉強に対して知的好奇心を持てるようにする
歯科医師国家試験は、無理やり誰かにやらされているような受け身の勉強姿勢では、その人にどんな学力があったとしても不合格になる可能性が高い試験です。
したがって、勉強に対して知的好奇心を持てるかどうかが、合格するための1つの鍵であり、この先、歯科医師として働く上でも欠かせない姿勢なのです。
今、勉強を苦痛に感じている人が、すぐに勉強内容に知的好奇心を持てるかというとそうではないと思います。
ですが、まずは好奇心の対象を「勉強方法をあれこれ工夫すること」や「予備校・塾やテキストを色々研究すること」にしてみるだけでも、勉強への姿勢が変わる大きな一歩だと思っています。
- 親御様が知的好奇心を持って何かに取り組んでいる姿を見せる
- 勉強方法を解説している記事読むように勧めてみる
- お子様が使っている参考書・テキスト、通っている予備校や塾の良いところを聞いてみる
5-2:モチベーションの高め方を身につける
人の手を頼らず、自分自身でモチベーションを高められる人は、受験勉強のみならず社会に出た後での活躍にも繋がります。
勉強のモチベーションは、さまざまな外的要因に左右されやすいといえます。
例えば、
「天気が悪くて勉強する気が湧かない…」
「今日は自習室に人が少なくて集中できる!」
などと、外的な環境によって自分自身のモチベーションが上下した経験は誰しもあると思います。
そこで、自分自身の内的なモチベーションをコントロールできる技術を持っていれば、たとえそのような環境に置かれたとしても、安定してモチベーションを保ち続けることができるでしょう。
注意が必要なのは、「毎日お気に入りの服を着てみる」とか「美味しいものを食べる」といったご褒美的な発想では、ドーピングと同じで徐々に効果が薄れていってしまいます。
内的モチベーションをコントロールするためには
- 勉強目標を達成しやすく細分化して、一個ずつこなしていく
- 悩みや不安が湧いてきた際は、紙に書き出してみる
- 内なる声で自分自身を鼓舞する癖をつける
というような手法がおすすめです。
そして、歯科医師として働く上では、外的要因にモチベーションが左右され医療ミスなどを起こすようなことがあってはなりませんよね。
そのような時でも、自分自身でモチベーションを上げられる能力を持っていれば安定して仕事ができ、結果として周りにもいい影響を及ぼすこともできるのです。
- お子様がモチベーションを上げようとしていることに気づいたら、必ず褒める
- 親御様自身が日々行っているモチベーションを上げるための工夫を話してみる
- Web記事やYouTubeでモチベーションを解説しているコンテンツをお子様に共有してみる
5-3:「今年必ず合格する」という覚悟を決める
国試勉強に本気で立ち向かうには、覚悟を決めることが最も重要です。
「結局のところ精神論?」と思われるかもしれませんが、やる気も気合いも覚悟もなければ、どんな試験にも合格できません。
しかし、やる気や気合いが足りなくても、覚悟ができたときには大抵のことは何とかなるものです。
そして、実際のところ歯科医師国家試験とは、そのような何とかなる試験でもあります。
なかなか一歩が踏み出せないという人は、まず「今年1年間だけ本気を出して合格するんだ!」と親御様でも友人でも誰かに公言をしてみることで、あとから覚悟は付いてくるようになるでしょう。
歯科医師になったとしても、「この患者さんは自分が何とかするんだ!」という覚悟を持つことで、難しい症例の患者さんにも本気で向き合えることができますので、この受験を機に覚悟を決めるという経験を積んでいきましょう。
- 親御様自身も今年必ず合格するという覚悟を決める
- お子様が1年間国試勉強だけに集中できるようにしてあげる(家業を無理に手伝わせたりしない)
- お子様の前でネガティブな言葉を発しないようにする
6章:国試勉強をしない・できないお子様を勉強させて合格させた実例
この章では、当メディアを運営する「60日合格塾」が調査した、過去に国試勉強をしない・できないお子様を勉強させて合格させた実例を紹介していきます。
過去、他の親御様がどのように同じ境遇を乗り越えたのかを知ることで、ご自身の参考にできることも増えますし、少しでも気持ちが楽になる可能性もありますので、ぜひ読んでみてください。
6-1:現役生のケース
現役生で、国試勉強になかなか身が入らない人に多いケースは、過去に留年を経験したり、毎回のように学内試験の追試を受けていたりすることで、大学の勉強に対して非常にネガティブな気持ちになっているというケースです。
【Yさん(私立大学) の親御様】
・国試勉強をするようになった経緯
子どもが本格的に勉強をし始めたのは、6年生2回目の9月ごろだったと思います。それまでは、毎日本当に気の抜けたような生活をしていて、定期試験前だけは学校の自習室に遅くまで篭ってから帰宅するというような生活でした。11月にある卒業試験は3分の2ほどが落とされるようで、本人的にも卒業試験の2ヶ月前ごろからようやく焦り始めた様子でした。
恐らく、留年していて既に浪人生のような状態で、来年も同じ生活を繰り返すことに恐怖心が芽生え、ようやく腹が決まったのだと思われます。
・お子様との接し方で意識したこと
親自身の構え方としては、「自分の人生なのだから、自分で責任を持って決めなさい」を貫いてきました。ただ毎日ご飯をつくり、世間話をする日常生活を送るだけで、余計なプレッシャーは与えなかったのが良かったのかもしれません。子どもの方から勉強の話をしてきたときは親身に聞くようにしていましたが、私から不安を煽るような言葉は口にしないように心がけていました。
・辛い時の乗り越え方
留年が決まったり、勉強をなかなかしなかったりといった「負の状態」だけに着目すると、子どもを叱りたくなってしまいます。そして、その衝動を抑えることに必死な日々でした。
でも、毎日の「努力」に注目すれば、何かしら褒めてやれることがあり、それによって親も子も多少なりとも気持ちが楽になって乗り越えられると思います。
6-2:浪人生のケース
国試勉強をしない浪人生に多いケースは、
- 1浪目の場合は、卒業したことによる解放感・喪失感からの気持ちの切り替え不足
- 2浪目以降の場合は、努力が報われなかったことによる挫折感から、悲観的になってしまっていること
が考えられます。
しかし、いずれの場合でも、歯学部を卒業しても国家試験に合格しなければただの歯に詳しい一般人です。
何度、浪人・留年しようが合格してしまえば同じ歯科医師だということを今一度認識して、今年合格するという覚悟を持つことが重要です。
【Nさん(私立大卒・2浪目) の親御様】
・国試勉強をするようになった経緯
息子は、1浪目の不合格が決まった時点で、全てのやる気を失っていました。2浪目の予備校も決めず、宅浪をすると言って、半分自暴自棄になっていると親目線では感じました。
当然のことながら予備校に通わないと、毎朝遅く起き、家族ともあまり会話をせず、どんどん人として暗くなっているのではと心配になりました。
6月ごろにやはり個別指導塾でも入ってはどうかと勧めたところ、始めは拒否されましたが、親のプレッシャーに観念したのか、入塾することを決めてくれました。
そこからは先生との相性が良かったのでしょうか、9月と11月の模試で連続して合格圏内に入って嬉しそうにしていました。
・お子様との接し方で意識したこと
私は歯科医師ですが、今の子たちの勉強内容や気持ちは分からないので、親世代の受験経験を話すことはやめようと決めていました。
息子はナーバスになりやすい性格なので、親が不安になっている姿は見せずに、いつも通り気丈に振る舞うことでそれを回避するようにしていました。
あとは本人のやる気に繋がったかはわかりませんが、おさがりのテキストを借りて一緒に勉強してみて、たまに質問をしたりをしていました。
・辛い時の乗り越え方
息子が勉強をしなかったということより、日々暗そうにしていたことがとても心苦しかったです。
2度ほど、勉強態度について息子と喧嘩したことがありましたが、そんな時は個別指導塾の先生と電話をして、息子の状況についてあたたかい言葉をかけてもらったりすることで、安心できました。
7章:お子様の勉強についてお悩みの場合は「60日合格塾」に相談を
歯科医師国家試験は「家族の戦い」ともいえる試験です。
合格するためには受験生本人の頑張りに加え、親御様の適切な理解やサポートが欠かせません。
もしお子様の受験勉強について不安や悩みを感じているのであれば、ぜひ一度、当メディアを運営する「60日合格塾」に無料相談してみてください。
7-1:国家試験のプロが親身になって解決策を提示
塾長をはじめとした受験のプロである講師やスタッフが、あなたの悩みや状況に対して最適なアドバイスをさせていただきます。
年間150件以上ものご相談をいただいている対応実績もありますので、安心してご相談をお寄せください。
7-2:受験生だけでなく、親御様の相談も可能
実は、「60日合格塾」に寄せられるご相談は親御様が3割強を占めています。
面談の時間も柔軟に設定可能ですので、お仕事に忙しい親御様のご都合に合わせた対応が可能です。
もちろん、お子様本人からのお問合せ、親御様+お子様の三者面談も受け付けていますので、ぜひ相談を検討してみてください。
7-3:電話・メール・LINE・Zoomなど各種対応
当塾の面談の特徴は「電話・メール・LINE・Zoom」といった各種方法に対応していることです。
もし、LINEやZoomの使い方がわからないというような場合でも、こちらのフォームからお申し込みいただければ、当方からお電話を差し上げることも可能です。
まとめ:お子様が国試勉強をしない・できない場合は原因別に対応を!
いかがでしたか?
今回の内容をまとめます。
お子様が受験勉強をしない・できない理由は以下の3つに大別されます。
- 原因がお子様にある場合
- 原因が親にある場合
- 原因が環境にある場合
まずはこの3つのパターンと対策方法を知ることが重要です。
原因がお子様にあるパターンは、
- 難易度の高さに尻込んでいる
- 受験勉強のやり方が分からない
- 大学の勉強がつまらないと感じている
- 部活や趣味などやりたいことがある
- 歯科医師になるという意志が薄い
などが考えられます。
その対策としては、
- 最低限必要な勉強を把握する
- 得意or楽しめる科目の勉強から始める
- 周りから刺激を受けるようにする
- なりたい将来像を明確化する
があげられます。
原因が親にあるパターンは、
- 過去の受験エピソードなどを話してしまう
- お子様の勉強に干渉しすぎている
- 無理やり歯科医師にさせようとしている
などが考えられます。
その対策としては、
- 基本的には見守り、変化は認めてあげる
- 生活リズムや環境を整えてあげる
- 歯科医師のメリットを改めて伝える
- 第三者(予備校・塾)などに任せる
があげられます。
原因が環境にある場合のパターンは、
- 居住環境や勉強環境が適切でない
- 周りに友人・仲間がいない
- 大学・予備校が合っていない
などが考えられます。
その対策としては、
- 自宅の勉強環境を整える
- 引越し・下宿などを検討する
- 切磋琢磨できる仲間を見つける
- 適切な予備校・塾に入る
があげられます。
本質的にお子様がやる気を出すために必要なことは、
- 勉強に対して知的好奇心を持てるようにする
- モチベーションの高め方を身につける
- 「今年必ず合格する」という覚悟を決める
であり、これらは受験勉強に限らず、今後の歯科医師人生を送る上でも必要となりますので、できるところから実践していきましょう。
受験勉強をしないお子様を勉強させて合格させた実例は、
- 現役生のケース
- 浪人生のケース
の2つを紹介しました。
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この記事の内容を参考に、お子様が合格に向けた受験勉強を始められるように行動を開始していきましょう。
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