歯学部卒業後の進路は6パターン。有利な進路選択法と大学別の傾向

  • 公開日:2023.10.23
  • 更新日:2023.10.23
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歯学部卒業後の進路は6パターン。有利な進路選択法と大学別の傾向
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歯学部生は歯科医師以外の卒業後の進路はある?進路を有利に進めるコツも徹底解説

あなたは、

  • 歯学部卒業後の進路を知りたい
  • 歯学部卒業後の進路は歯医者だけなのか知りたい
  • 歯学部卒業後に有利に進めるためにできることを知りたい

とお考えではありませんか。

歯学部卒業生の大半は、卒後臨床研修に進み歯科医師になります。

一部の卒業生は、別な進路に進みます。

しかし、

  • 歯科医師以外にどんな職業になっているか
  • 卒業後の進路を有利に進めるために重要なこと

を調べることは難しいですよね。

歯科医師以外になっている職業がある程度決まっており、進路を有利に進めるためのコツもいくつかあります。

1章では、歯学部卒業後の進路は卒後臨床研修が大半であること、2章では歯学部卒業生によくある進路6パターン、3章では大学卒業後の進路を有利に進めるコツ、4章では各大学の進路実績の一例をそれぞれ解説します。

この記事を読んで、自分にどんな進路が合っているか考えてみましょう。

1章:歯学部卒業後の進路は卒後診療研修が大半

歯学部卒業後の進路は卒業臨床研修が大半

この章では、歯学部の進路は卒後臨床研修がほとんどであることについて解説します。

  • 歯学部卒後臨床研修とは
  • 就職率は決して低くない
  • 歯学部卒業者の平均年収

それぞれ説明します。

1-1:歯学部卒後臨床研修とは

 

大学の歯学部もしくは歯科大学で6年間の課程を修了すると、歯科医師国家試験の受験資格が得られます。

試験に合格して歯科医師免許を取得後に、臨床経験を1年以上修了すると歯科医師として働けます。

臨床研修先は、「出身大学の歯学部附属病院」や「出身大学以外の歯学部附属病院」、「歯科診療所」などから選べます。

臨床研修では、研修先から給与が支払われ、給与の額は研修先によって異なります

卒後臨床研修を受けられる施設は、卒後臨床研修認定施設のみに限られています。

認定施設は、大学病院から一般の歯科医院までさまざまです。

それぞれの施設が、独自に組むカリキュラムに沿って臨床研修を進めます。

自分が目指す歯科医師像を実現できるような、臨床研修施設を選ぶとよいでしょう。

認定施設で研修を受けるには、たいていの場合試験がありますので、試験に合格する必要があります。

しかし、歯科大学の歯学部附属病院では、他の臨床研修施設とは比較にならないほどの多数の研修医を募集しています。

そのため、希望する臨床研修施設が不合格になった場合も入職することが可能です。

1-2:就職率は決して低くない

全国547大学を対象とした「学部別就職率のデータ」によると、看護・保健・医療分野の学生の就職率は非常に高いです。

2017年から2020年の4年間、すべて92%以上の就職率となっています。

歯学部の単体データではありませんが、医療分野の国家資格を持つ歯学部卒業者の就職率は決して低くないです。

1-3:歯学部卒業者の平均年収

学部別の平均年収ランキングでは、

■20代

1位:医・歯・薬学 406万円

■30代

1位:医・歯・薬学 506万円

20代・30代ともに、医歯薬の医療系学部が一位を獲得しています。

こちらも歯学部単体のデータではありませんが、有資格の医療系学部の平均年収は高い傾向です。

2章:歯学部卒業後によくある進路6パターン

歯学部卒業後によくある進路7パターン

この章では、歯学部卒業後によくある進路7パターンについて解説します。

  • 大学に残る
  • 診療所
  • 病院
  • 研究機関
  • 介護施設
  • 公務員
  • 一般企業

2-1:①大学に残る

歯学部卒業後の進路の選択肢として最も多いパターンは、大学に残るという選択肢です。

卒後臨床研修を行い、そのまま大学病院に残り働く場合が多いです。

一般診療を継続する歯科医師もいますし、大学院へ進学し研究を行う歯科医師もいます。

大学院での研究の過程で、海外へ留学し研究を行う人もいます。

2-2:②診療所

診療所とは、歯科医院やデンタルクリニックのことです。

虫歯の治療や定期検診など、一般的な歯科診療をメインに行います。

矯正歯科や小児歯科など、専門分野を明確にしている診療所もあります。

自分が学びたい分野を、専門とする診療所を選ぶのもおすすめです。

歯科医師のなかには、診療所で勤務医として経験を積んだ後、独立開業する人もいます。

2-3:③病院

病院は大きく分けて「医育機関附属の病院」と「一般病院(医育機関附属の病院を除く)」の2種類あります。

医育機関とは、医師を養成する教育機関です。

医学部や歯学部、大学附属病院などを指します。

臨床研修を行った大学附属病院で、修了後もそのまま勤務するケースが多いです。

医育機関附属の病院は設備が整っており、歯科医院では対応が難しい治療を行います。

高度な治療を行なっており、勉強になることがメリットです。

病院で勤務経験を積んだ後に、開業する人もいます。

2-4:④研究機関

歯科医師免許を取得した後、1年以上の臨床研修が義務付けられています。

臨床研修の後に専門分野の研究を続けたい人は、研究職の道へ進みます。

大学病院や研究機関で、歯科の治療にかかわる材料や新しい治療法、病気の予防や解明などを専門的に研究します。

2-5:⑤介護施設

「介護老人保健施設」でも歯科医師が働いています。

「介護老人保健施設」は、病院などの医療機関で治療を終えた高齢者が、在宅への復帰を目標に生活する施設です。

入れ歯の調整やむし歯の治療などの、口腔機能管理がメインの仕事になります。

虫歯や歯周病になると、食べづらくなったり噛まなくなったりと口腔機能が低下します。

そして脳への刺激が減ったり、栄養不足になったりして肺炎や感染症のリスクが高くなります。

「介護老人保健施設」での高齢者の口腔ケアは、非常に重要で歯科医師の役割も重要です。

2-6:⑥公務員

医系技官や歯科医官など、公務員の仕事に就く人もいます。

「医系技官」は、厚生労働省に所属する技術系行政官で、医学の専門的知識を生かして人々の健康を守る国家公務員です。

保健医療に関わる政策の立案から実施まで、すべての過程に関与します。

歯科医師免許を取得して臨床研修を修了すれば「医系技官採用試験」に応募できます。

試験に合格すれば、医系技官になれます。

「歯科医官」は、全国の陸上、海上、航空自衛隊の病院や各部隊の駐屯地に配属されます。

自衛隊員やその家族の歯科診療を行います。

2-7:⑦一般企業

一般企業に就職する歯科医師もいます

■「メーカー」

歯科医療機器を開発製造しています。

■「製薬会社」

口腔ケア商品や医薬品を開発します。

これらの企業で、歯科の専門知識を生かして活躍している人もいます。

企業への就職は、歯科医師の免許がなくても応募できます。

歯科医師免許は、歯学の専門知識を持つ証明です。

就活においても有利になる場合があります。

3章:大学卒業後の進路を有利に進めるコツ

大学卒業後の進路を有利に進めるコツ

この章では、大学卒業後の進路を有利に進めるコツを解説します。

  • 自己分析を十分に行う
  • 応募書類の質をあげる
  • 病院見学を積極的に行う

それぞれ説明します。

3-1:自己分析を十分に行う

就活をする上でまず実践すべきことは、徹底的な自己分析です。

なぜなら、自己分析をすることで、強み・弱み、自分のやりたいことを明確にできるからです。

自己分析が十分でないと、自分のやりたいことを実現できる職場を見極められません。

また、自分の本当の強みを把握できていないと、面接の場でうまく自己アピールできません。

第一希望の医療機関に、落とされてしまう可能性もあります。

自己分析は時間がかかり大変ですが、一度やってしまえばその後はそれほど時間をかける必要はありません。

就活が始まると時間をあまり確保できないことが多いので、時間に余裕がある内に深く自己分析を行うことが大事です。

3-2:応募書類の質をあげる

歯科医師免許を持つ歯学部生は、就活で比較的有利です。

しかし、応募書類の質が低いと、当然その先の選考には進めません。

書類選考を確実に通過できるように、対策をしておくことが重要です。

応募書類のフォーマットは、医療機関によって異なります。

ですがエントリーシートのように、ある程度似た質問に回答することが多いです。

通常の就活生が作成するエントリーシートと同じ対策をしておけば、書類選考で苦戦することはまずありません。

3-3:病院見学を積極的に行う

病院見学とは、その名のとおり病院に足を運んで病院を見学することです。

医療機関のリアルな雰囲気を体験できたり、実際の仕事内容を知れたりする貴重な機会です。

教授・先輩の口コミやネット上の情報だけで、自分に合った病院かどうかを判断するのは難しいです。

自分と雰囲気が合わない病院で臨床研修を行うことは苦痛です。

必ず病院見学に参加して、自分との相性を確かめましょう。

病院見学の期間は、医療機関によって異なります。

より多くの情報が得られるように、可能な限り長期のものに参加するのがおすすめです。

4章: 大学によって歯学部卒業後の進路は異なる傾向にある

大学によっては歯学部卒業後の進路は異なる

この章では、大学によって歯学部卒業後の進路は異なる傾向にあることを解説します。

以下の大学の場合を、一例として紹介します。

  • 昭和大学
  • 愛知学院大学
  • 北海道医療大学
  • 広島大学
  • 九州大学

それぞれ解説します。

4-1: 昭和大学の場合

都内の学生を中心に、人気が高い昭和大学の場合です。

昭和大学の歯学部生は、大学病院に就職している人が多いです。

研究医として、同大学の大学院に進学している人もいます。

そのほか、自衛隊への就職者がいることから、歯科医官になった人もいます。

4-2:愛知学院大学の場合

愛知学院大学は、愛知県にある大学です。

愛知県近郊の病院で、研修をおこなっている人が多いです。

全国から学生が集まっているため、大阪大学や福岡大学などで研修している人もいます。

大学病院ではなく、公立病院や一般病院で研修している人が多くいます。

4-3:北海道医療大学の場合

北海道医療大学は、北海道にある大学です。

卒業生は北海道だけでなく、全国各地の病院で臨床研修を受けているようです。

北海道の出身ではない学生も、多数通っているのでしょう。

歯科医として就職する人が多いものの、大学院への進学者も一定数います。

4-4:広島大学の場合

広島大学は、広島県にある国立大学です。

具体的な病院名は、公表されていませんでした。

公表されている情報によれば、大半の学生は歯科研修医として勤務しています。

しかし、約1割の学生は、研修医以外の進路を選んでいるようですね。

臨床研修後は、大学院への進学者や大学病院や地域の医療機関で歯科医師として働く人などがおり、進路は幅広いです。

4-5:九州大学の場合

九州大学は、福岡県の国立大学です。

臨床研修先別の人数のみ、公表されていました。

約半数の学生は、九州大学の大学病院で臨床研修をおこなっています。

まとめ:歯学部卒業後の進路はさまざま

この記事では、

  • 歯学部の卒業生の大半は卒後臨床研修を行い、その後は病院へ就職したり、研究者になったりしている。
  • 歯学部の卒業生はさまざまである。
  • 大学卒業後の進路を有利に進めるコツ
  • 大学別の卒業生の進路

について解説しました。

歯学部卒業生の大半は歯科医師になりますが、それ以外の進路も存在します。

自分の最善の進路を見極めるには、自己分析・応募書類の質を上げる・病院見学を積極的に行うといったことが重要です。

歯科医師にとどまらず、自分にとって最適な進路を決めていきましょう。

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AUTHOR
著者紹介

著者 和気正和

歯科医師国家試験
60日合格塾・塾長
歯科医師 和氣正和

当メディア「歯科国試ドットコム」は、歯科医師国家試験の受験生が確実に合格できるように、受験生本人と親御様向けに情報提供するメディアです。

もしあなたが、歯科医師国家試験に対して不安を抱えている場合、ぜひ当メディアの記事を読んで知識やスキルを身に付け、合格に向けた正しい努力ができることを願っています。

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