【歯学部生必見!】オスキー(OSCE)の試験内容・合格基準と効率的な対策法
- 公開日:2024.02.02
- 更新日:2024.02.02
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歯学部生のあなたは、
- オスキー(OSCE)ってどういう試験?
- オスキー(OSCE)ってどういう内容なんだろう?
- オスキー(OSCE)で合格できるように対策したい
などの悩みや疑問をお持ちではありませんか?
結論からいえば、オスキー(OSCE)とはすべての歯学部生が受けなければならない共用試験の1つで、臨床実習前に行われるものです。
たいていは、4年次の2月ごろに行われます。
オスキー(OSCE)に受からなければ臨床実習に進むことができず、歯科医師になることができません。
そのため、オスキー(OSCE)についてよく理解し、しっかり対策することも大事です。
そこでこの記事では、
- オスキー(OSCE)の試験の内容、評価基準、範囲について
- オスキー(OSCE)に合格するための具体的な対策について
を詳しく解説します。
ぜひ興味のあるところから読んで、これからの学生生活に活かしてください。
目次
1章:歯学部のオスキー(OSCE)とは
それでは、まずはオスキー(OSCE)がどういう試験なのか解説します。
1-1:オスキー(OSCE)の概要
オスキー(OSCE)とは、評価方法や評価基準を統一化し必要に応じて外部試験委員を加え、客観的臨床能力をみる試験のことです。
そもそも、歯学部では4年次に共用試験が行われます。
これは、臨床実習に進むにあたって必要な知識や技術を持っているか確認するもので、以下の2つがあります。
- CBT(Computer Based Testing):PCでの選択問題などで知識を問う試験。知識(技能)を問われる。
- OSCE(Objective Structured Clinical Examination):模擬の患者やマネキン、シミュレータを利用して臨床的な能力を問う試験。技能・態度を問われる。
上記を見て分かる通り、CBTでは基礎知識が評価されます。
それに対し、オスキー(OSCE)では臨床的な能力が評価される内容になっています。
オスキー(OSCE)の試験日程や合格基準は下記の通りです。
- 試験日:日程は大学によって異なり、私立では概ね4年次の1~2月に実施されるが、国公立の一部は5年次に実施する場合もある。
- 国試と異なり、希望する大学によって実施される。
- モデル・コア・カリキュラムに基づく。
- 受験資格:4年次に進級している歯学部生。
- OSCEの合格基準は大学によって異なり大体70~73%程度。
1-2:オスキー(OSCE)に合格しないと臨床実習に進めない
冒頭の繰り返しになりますが、オスキー(OSCE)に合格しなければ臨床実習に進むことができません。
難しい試験ではありませんが、合格できず臨床実習に進めなければ、当然歯科医師国家試験を受けられませんので、歯科医師になることができません。
そのため、必ず受かることができるように対策することが必要です。
具体的な対策は3章で解説しますが、その前にオスキー(OSCE)の具体的な課題の形式、範囲について解説します。
2章:オスキー(OSCE)の課題の形式と範囲
それではこれから、オスキー(OSCE)の課題の形式や範囲について詳しく解説します。
また、オスキー(OSCE)を実施する公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構が出している資料がありますので、こちらも参考にしてみてください。
2-1:オスキー(OSCE)の課題の形式・流れ
1章でも触れたように、オスキー(OSCE)は臨床実習前に、臨床実習に進む技術を持っているか評価する試験です。
学生はステーションを順に回り、態度や基本的診療能力の評価を受けます。
下記は一例ですが、このような流れで、模擬患者やマネキンを用いて、大学にて行われます。
オスキー(OSCE)の評価は、
- 医療面接
- 患者への配慮
- 診察テクニック(身体診察)
- 診察テクニック(基本的診療手技)
- 救急
の5つのカテゴリーで示されます。
ただし、オスキー(OSCE)を受験するにあたって、評価の基準を詳しく知っておく必要性はあまりありません。
3章で解説するように、しっかり準備しておけば落とされるような試験ではないためです。
総合得点は、下記のように推移しており、近年の得点率は85%~88%となっています。
1章で紹介した通り、オスキー(OSCE)の合格基準は大学によって異なりますが、大体70~73%程度です。
そのため、多くの方が、合格基準を超える得点を得ることができていることが分かります。
2-2:オスキー(OSCE)の出題範囲
OSCEでは、モデル・コア・カリキュラムにもとづいて作成された試験で、下記の臨床5分野から課題が出題されます。
- 初診時医療面接
- 基本的診察および検査能力
- 基本的技能
- 説明・指導
- 基本的臨床技能
どの課題が出るかは当日まで分からないため、すべての課題を対策しておく必要があります。
課題の一覧は下記の通りです。
■オスキー(OSCE)課題一覧
1.初診時医療面接
1-1 初診患者の医療面接(急性症状)
1-2 初診患者の医療面接(慢性症状)
2.基本的診察および検査能力
2-1 口腔内状態の記録
2-2 バイタルサイン
2-3 頭頸部(顎・顔面・頸部)の診察
3.基本的技能
3-1 浸潤麻酔
3-2 手洗いと滅菌手袋装着
3-3 ラバーダム防湿
3-4 概形印象採得
3-5 心肺蘇生
4.説明・指導
4-1 歯周病の病状の説明
4-2 ブラッシング指導
4-3 欠損補綴の治療方針の説明
4-4 保護者へのブラッシング指導
4-5 保隙装置の説明
4-6 矯正装置の説明
4-7 エックス線撮影の説明
5.基本的臨床技能
5-1 コンポジットレジン修復
5-2 根管治療
5-3 支台歯形成
5-4 プロビジョナルレストレーションの製作
5-5 普通抜歯
5-6 フッ化物塗布
5-7 予防塡塞
5-8 縫 合
5-9 スケーリング・ルートプレーニング
5-10 修復用 隔壁の装着
5-11 う蝕象牙質の除去
5-12 レストシートの形成
オスキー(OSCE)の試験の評価の基準や範囲を解説しました。
次に、具体的な対策を解説します。
2-3:オスキー(OSCE)の課題と学習目標
2-1の課題の学習目標について具体的に解説します。
共用試験を開催している公益社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構のHPの資料(下記にURL記載)に、具体的な学習目標が記載されているので本番までに達成できるように練習してください。
たとえば、下記のように記載されています。
1.初診時医療面接
1-1 初診患者の医療面接(急性症状)
1) 面接の導入にあたって、環境を整えることができる。
2) 急性症状やその心理状態に応じたコミュニケーションがとれる。
3) わかりやすい言葉づかいと聞き取りやすい話し方ができる。
4) 急性症状やその心理状態に応じた質問ができる。
5) 病状中心の病歴を聴取できる。
6) 既往歴を聴取できる。
7) 解釈モデルを聴取できる。
8) 急性症状やその心理状態に対する共感的理解の態度を示すことができる。
9) 面接の終わりに患者の言い忘れがないかを確認できる。
10) 面接の終わりに訴えの要約と確認ができる。
各課題について詳しく書かれていますので、下記の資料をチェックしておいてください。
引用元:「2023年度共用試験歯学系臨床実習前OSCE 学生配布資料」
3章:歯学部のオスキー(OSCE)に合格するための対策
それではこれから、オスキー(OSCE)に合格するための具体的な対策について、
- 友人と面接や手順を練習する
- 課題文をよく読んでおく
- 普段の実習をしっかり行っておくことが大事
というポイントを解説します。
3-1:友人と面接や手順を練習する
1、2章で解説してきた通り、オスキー(OSCE)は臨床における技術を模擬の患者やマネキンを使って評価する試験です。
そのため、下記のような対策を行うことをおすすめします。
- 友人との面接の練習、面接のセリフを考えておく
- 友人と協力して手順の練習
- 手順や使う道具は実習書で確認
もし親族が歯科医院を経営していれば、機材を使わせてもらって練習できるとなおいいです。
歯学部でオスキー(OSCE)を受験した多くの人が、
「当日は絶対に緊張する」
「一つ間違うと焦ってさらに間違えそうになった」
と言います。
オスキー(OSCE)の内容は、普段の実習で技術を身につけられていれば、それほど高度な内容が求められるわけではありません。
しかし、当日焦ったり緊張して失敗することがないように、面接練習や手順の確認でシミュレーションしておくことは大事です。
実際の試験の流れを意識して対策しておけば、落ち着いて実力を発揮し、合格することができるでしょう。
3-2:課題文をよく読んでおく
オスキー(OSCE)の当日は、課題文をよく確認することも大事です。
オスキー(OSCE)では、当日の第 1 課題開始前に、全 課題が記載された受験票が配布され、そこではじめて課題文を確認することができます。
課題文を読む時間は、試験時間とは別に 1 分間あります。
そして試験時間は 5 分間です。
そのため、あまり課題文をゆっくり確認するほどの時間はありませんが、よく読んで課題文を正しく理解して試験に挑む必要があります。
先輩の中には、
「課題文を読み間違えており、時間ギリギリになって課題が途中までしか終わってないことに気が付いた」
「緊張して課題を間違えた」
といった人もいます。
このように、時間があまりないことを頭に入れた上で、落ち着いて課題文を読めるように心の準備をしておきましょう。
3-3:普段の実習をしっかり行っておくことが大事
オスキー(OSCE)の対策として、一番大事なことは、普段の実習をしっかり行っておくことにつきます。
2章でも解説したように、オスキー(OSCE)の課題の範囲は広く、これまでに習った内容のすべてといえます。
その中からどの課題が出るかは、当日まで分かりません。
そのため、普段の授業や実習をしっかり受けて、すべての範囲を理解し、できるようになっておくことが必要です。
歯学部でオスキー(OSCE)を受けた人の多くは、
「普段の授業・実習をしっかり受けておくことが、一番の対策になった」
「普段の実習を真面目に受けていたため、特別な対策をせずとも合格できた」
と言います。
また、大学で、オスキー(OSCE)対策の実習が行われる場合もあります。
学習目標が明確にあるため、達成できるまで練習してください。
そのため、当たり前ですが普段の授業・実習に真面目に挑んで、技術やコミュニケーション能力を高めるように心がけましょう。
さらに、疑問点はその都度先生に確認しておきましょう。
逆に、普段から実習をあまり真面目に行わず、オスキー(OSCE)を一夜漬けで乗り切ろうとしている方は危険です。
もし、オスキー(OSCE)の受験に不安がある場合は、先輩や教員、もしくは歯科医師国家試験の受験塾などで相談することをオススメします。
まとめ:オスキー(OSCE)合格は難しくない!対策を立てて乗り切ろう
最後にこの記事の内容をまとめます。
OSCE(Objective Structured Clinical Examination)とは
- 模擬の患者やマネキン、シミュレータを利用して臨床的な能力を問う試験
- 合格基準は大学によって異なり大体70~73%程度
- 近年の総合得点は、85%~88%程度
オスキー(OSCE)に合格しないと臨床実習に進めず、歯科医師になることができないため、確実に合格しなければなりません。
オスキー(OSCE)の試験範囲
- 初診時医療面接
- 基本的診察および検査能力
- 基本的技能
- 説明・指導
- 基本的臨床技能
オスキー(OSCE)の試験対策
- 友人と面接や手順を練習する
- 課題の学習目標を達成できるようにしておく
- 課題文をよく読んでおく
- 普段の実習をしっかり行っておくことが大事
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