【歯科医師国家試験は選抜試験?】その理由と一発合格への4つの対策

  • 公開日:2024.02.02
  • 更新日:2024.02.02
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【歯科医師国家試験は選抜試験?】その理由と一発合格への4つの対策
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歯科医師国家試験は選抜試験?

あなたは、

  • 歯科医師国家試験は、選抜試験なの?
  • 歯科医師国家試験は、一定数の合格者しか受からない試験なの?

などの疑問をお持ちではありませんか?

歯学部在学中で歯科医師国家試験を控えている場合、「選抜試験では受かる自信がない」と不安になってしまうかもしれませんね。

結論から言えば、歯科医師国家試験は選抜試験ではありません。

しかし、確かに近年の合格率は63~65%程度の一定で推移しており、難化しているともいわれてします。

そのため、確実に合格するには、歯科医師国家試験の特徴を理解し、真剣に対策を練る必要があります。

そこでこの記事では、

  • 歯科医師国家試験は資格試験である
  • 歯科医師国家試験が選抜試験だといわれる理由
  • 歯科医師国家試験に合格するための5つの対策

を詳しく解説します。

ぜひこの記事を参考に国試対策を進めてください。

1章:歯科医師国家試験は選抜試験ではない

それでは、まずは歯科医師国家試験は選抜試験ではないことについて解説します。

1-1:歯科医師国家試験は「資格試験」で人数制限はない

そもそも、選抜試験とは合格人数が一定数に決められている試験のことです。

しかし、歯科医師国家試験は合格人数が決められているわけではないため、選抜試験とはいえません。

あくまで歯科医師国家試験は、一定以上の合格水準を満たした受験者を合格させ、国家資格を認定する「資格試験」であるということになっています。

ただし、歯科医師国家試験は単純に◯点取れれば合格といった試験ではなく、複数設けられた合格基準をクリアすることが必要です。

そして、歯科医師国家試験の合格基準は、絶対基準と相対基準があるため、確かに選抜試験的な側面を持つともいえます。

そこで次に、歯科医師国家試験の合格の基準を確認しましょう。

1-2:歯科医師国家試験の合格の基準

合格の判定基準

歯科医師国家試験は、

  • 必修問題 80 題
  • 一般問題(総論)100 題
  • 一般問題(各論)80 題
  • 臨床実地問題(各論)100 題

の360問から構成されています。

必修は「歯科医師として必ず具有すべき基本的な最低限度の知識及び技能」を試験範囲としています。

総論と各論は「必修の基本的事項」を土台として構成される、歯科医師として必要な専門的・臨床的知識が問われるものです。

そして、

  • 必修問題は絶対基準があり80%以上の正答率が必要
  • 領域A(総論)・領域B(各論)は相対基準が用いられている。それぞれの平均点と標準偏差を用いて設けられた基準点以上の得点が必要

というのが合格基準になっています。

つまり、必修問題については、80%以上の正答率がなければ、他の部分でどれだけ得点していても不合格になります。

また、領域A、Bについては、その年の歯科医師国家試験の受験者の中で、相対的に合格基準が決まることになります。

ただし、合格基準は変遷していくことにご注意ください。

出題基準は4年ごとに変わっており合格基準も原則4年ごとに変化しています。116回の国試から、必修問題と領域A、B問題となりました。

また、110回まで合格基準に禁忌肢選択数がありましたが現在はなくなりました。

まとめると、歯科医師国家試験に合格するためには、必修問題で80%以上の正答率を獲得することに加えて、それ以外(領域A、B)でも相対的な基準点以上の得点が必要だということです。

相対基準が設けられているということは、その年の受験生の中で相対的に点数が低い人は落ちてしまうということですので、選抜試験的な側面があるともいわれるのです。

歯科医師国家試験の合格基準について、より詳しくは下記の記事を参考にしてください。

歯科医師国家試験の合格基準・ボーダーをわかりやすく解説

それでは次に、歯科医師国家試験が選抜試験といわれる理由について、もう少し詳しく解説します。

2章:歯科医師国家試験が選抜試験といわれる理由

それではこれから、歯科医師国家試験が選抜試験だという意見を紹介した上で、

  • 合格者数が一定で推移していることから選抜試験といわれている
  • 選抜試験といわれるようになった背景である政策

を解説します。

2-1:歯科医師国家試験は選抜試験だという意見

歯科医師国家試験は選抜試験になっている、という意見はインターネット上に多く確認できます。

たとえば、Xのポストにも下記のようなものが見受けられます。

 

また、下記のように開業医であり歯科医師国家試験の予備校顧問である方も、歯科医師国家試験が選抜試験になっていることを指摘されています。

阪大歯学部同窓会報「選抜試験としての歯科国試の世界」

このような意見が多くみられる理由を解説します。

2-2:合格者数が一定で推移していることから選抜試験といわれている

歯科医師国家試験が選抜試験だといわれるのは、近年の合格率が一定で推移しており、その合格率も他の国家試験と比べて低いためです。

下記の、近年の歯科医師国家試験の合格率を見てみてください。

歯科医師国家試験受験者数と合格率の推移

過去を何十年も遡れば、歯科医師国家試験は90%台の合格率がありました。

しかし、近年の合格率は、60%台まで下がっています。

また、合格者数は毎年2000人前後となっており、これでは「合格者数が2000人前後に絞られている選抜試験である」といわれるのも理解できると思います。

また、他の医療系国家資格と比べても、歯科医師国家試験の合格率がいかに低いか分かります。

歯科医師国家試験の合格率

新卒の合格率は緩やかに上昇傾向ですが、既卒の合格率は緩やかに下降傾向をたどっています。

受験回数が増すほど合格率は下がっています。

この傾向は毎年同じです。

2-3:選抜試験といわれるようになった背景である政策

このように、歯科医師国家試験の合格率が低く、合格者数が一定になっている理由には、歯科医師の数を抑制しようとする政府の政策があります。

歯科国家試験難化の背景

簡単に歴史的背景を振り返りましょう。

【歯科医師供給過多の背景】

  • 昭和 40 年代初頭、生活環境や食の変化を含む複数の要因が重なって国民の間にう蝕が多発。
  • 昭和40年代~50年代に、歯科医師不足が叫ばれ、歯科医師を増やす政策が採られ、歯学部、歯科大学が4倍近くも新設され、多くの歯科医師が誕生。
  • この背景から、歯科医師が増えすぎ、
  • 貧困歯科医
  • 歯科医の質の低下
  • 過剰診療

という問題が出てきました。

そこで、政府は、昭和62年に削減計画を策定し、それ以降下記のような政策をとっています。

  • 歯科医師国家試験の合格基準の引き上げ
  • 歯学部の入学定員の削減

しかし、大学は経営上、入学定員を簡単に削減することができません。

そのため、入学者数はそれほど削減されない一方で、歯科医師国家試験は難化が進み、合格率が低下している状況なのです。

このように、実際には歯科医師の抑制、歯科医師国家試験の難化という背景があるため、選抜試験的な側面があるともいえる状況なのです。

したがって、受験生の皆さんは、必ず合格できるように、これから紹介するような対策をしっかり練ることをオススメします。

3章:歯科医師国家試験に合格するための4つの対策

選抜試験のような、合格率の低い歯科医師国家試験に合格するための対策は下記の通りです。

  • 自分の勉強法・勉強計画を見直す
  • 模試や大学の成績などの指標をフル活用する
  • 歯科国試のプロから客観的なアドバイスを受ける
  • 必要に応じて予備校・塾に通う

順番に解説します。

3-1:自分の勉強法・勉強計画を見直す

ここまで解説してきたように、歯科医師国家試験は合格率が低く、難易度が高い試験です。

しかも試験の範囲は膨大で、丸暗記することは現実的ではありません。

そのため、下記のような効率的な勉強法を行うことが必要です。

  • 勉強時間と勉強の仕方を見直す
  • 予備校や個別指導塾を上手く活用する
  • 適切なテキストを選ぶ
  • 国試本番を意識した勉強法を行う

これらの効率的な勉強法については、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

【歯科医師国家試験】効率的な勉強法、科目・分野別のおすすめ勉強法

なお、勉強方法以上に重要なのが勉強計画です。

毎日の勉強計画だけでなく試験本番までの日数を逆算し、歯科国試の出題傾向や合格基準から重点的に勉強する範囲を分析して、適切な勉強方針を立てる必要があります。

歯科国試で問われるポイントと自分の苦手分野や弱点を適切に把握し、「ここまで分かるようになったら次に進む」という自分の判断基準をもつことで、はじめて効率的な勉強ができるようになります。

3-2:模試や大学の成績などの指標をフル活用する

なんとなく模試を受けるのではなく、模試を受ける目的を明確に持つことが大切です。

模試や大学の試験では、自分の得意科目、不得意科目、やりがちなミスなどが浮き彫りになります。

そのため、その結果をフル活用して対策を練るべきです。

試験を受けたら受けっぱなしで、その後の勉強に活かさないのはNGです。

模試の後には、当日を思い出しながら、正解した問題が理解して解いたのか、偶然に解けたのか、自問自答しながら分析することが必要です。

模試を受けるメリットですが、

  • 過去問以外の問題にも触れることができる。
  • 時間配分の練習ができる
  • 本番さながらの生活リズムで受けることができる。
  • 今の勉強量でどの分野でどれくらいの点数が取れているか見ることができる。
  • 自分の苦手分野を再確認できる。

などが挙げられます。

また、模試については下記のポイントを押さえて勉強しましょう。

  • 領域別、科目別の全国平均と自分の成績との比較:領域A・Bは、相対基準が採用されているため、自分の相対的なレベルが確認できる。
  • 全国平均正答率が80%以上の問題の復習:得点が容易な問題を落としていた場合、絶対落とさないように復習する。
  • ケアレスミスの発生箇所・原因の特定:重複マークや未記入、マーキング不良が起きている場合は、本番で同じミスをしないように、再発防止策を考える。
  • 模試解説書の活用:必ず読み込んで問題と解説を理解する。

模試と模試後の勉強法については、下記の記事もご覧ください。

【歯科医師国家試験の偏差値】どれくらい取れば合格圏内?

3-3:模試の種類

有名な模試は、大手2社でほとんどの受験生が受けています。

  • 麻布デンタルアカデミー:最も多くの受験者数を誇っています。
  • DES 歯学教育スクール:全国の歯科大生の約99%が受験しています。

(両者ともHPより引用)

多くの受験生が受けている有名模試を受けることで、あなたの現在のレベルを確認することができます。

積極的に活用することをオススメします。

3-4:歯科国試のプロから客観的なアドバイスを受ける

あなたは「歯科医師国家試験に合格できるか不安だが、できれば一発で合格したい」と思ってらっしゃると思います。

確かに、歯科医師国家試験は選抜試験的になっている傾向にありますが、それでも3人に2人は合格する試験です。

そのため、あなたの現状を客観的に認識した上でしっかり対策すれば、合格基準に持っていくことは難しくはありません。

しかし、自分だけで現状を正確に把握し、国試合格のための対策を練るのは難しい面もあります。

そのため、周囲にいる先輩や教員など経験者に、アドバイスを求めるのも一つの手です。

また、当サイト「歯科国試.com」は、歯科医師国家試験の【60日合格塾】を運営しており、無料のオンライン相談も行っています。

そのため、あなたの国試に向けた勉強方法や、今抱えている不安、具体的な今後の対策などについて、プロに気軽に相談することも可能です。

一人で悩まずに、ぜひ何でもご相談ください。

もちろん「60日間合格塾」に入塾しなくても、無料相談可能です。

無料相談に興味がある方は、下記のボタンから当塾の公式LINEにご登録ください。

3-5:必要に応じて予備校・塾に通う

合格率が低い歯科医師国家試験に一発合格する可能性を上げるためには、

  • 勉強方法の見直し
  • 模試の活用
  • プロのアドバイス

これらの全てのサポートが受けられる、歯科医師国家試験の予備校や塾を活用するのが一番の近道です。

他にも予備校や塾に通うメリットとして

  • 国試だけに特化した指導を受けられる
  • 学習計画を管理してくれる
  • 勉強に集中する環境が整っている
  • プロに学習相談ができる
  • 試験にかかわる最新情報を得られる

などがあります。

また、予備校や塾に通っていると、チューターや講師が学習の相談に乗ってくれます。

つまずいた問題があっても、一人で悩まずにその都度解決していけるため、学習効率も上げられます。

もし、一人で学習していけるか不安で、歯科医師国家試験のプロのサポートを受けたい場合は、予備校や塾を活用することをオススメします。

また、入塾を迷っている場合には、それぞれの予備校・塾で行われている無料相談などを利用してみるのもオススメです。

予備校や塾に通うメリット・デメリットに関しては、コチラの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ一度ご覧ください。

【歯科医師国家試験】予備校・塾は必要?不必要?タイプ別診断も!

まとめ:歯科医師国家試験に合格するための4つの対策

歯科医師国家試験が選抜試験だといわれる理由や、対策法について理解できたでしょうか。

最後に今回の記事の内容をまとめます。

歯科医師国家試験は選抜試験ではなく、資格試験。

  • 歯科医師国家試験は合格人数が決められているわけではないため、選抜試験とはいえない
  • 歯科医師国家試験の合格基準は、必修は絶対基準、それ以外は相対基準になっている

歯科医師国家試験が選抜試験といわれる理由。

  • 歯科医師国家試験が選抜試験といわれるのは、合格率が60%台と低く合格者数が一定で推移しているため
  • 歯科医師国家試験の合格率が低いのは、歯科医師の数を抑制しようとする政府の政策があるため

歯科医師国家試験に合格するための対策。

  • 自分の勉強法・勉強計画を見直す
  • 模試や大学の成績などの指標をフル活用する
  • 歯科国試のプロから客観的なアドバイスを受ける
  • 必要に応じて予備校・塾に通う

当サイトでは、歯科医師国家試験に関するたくさんの記事を掲載しています。

ぜひ参考にして、国試の一発合格を目指してください。

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AUTHOR
著者紹介

著者 和気正和

歯科医師国家試験
60日合格塾・塾長
歯科医師 和氣正和

当メディア「歯科国試ドットコム」は、歯科医師国家試験の受験生が確実に合格できるように、受験生本人と親御様向けに情報提供するメディアです。

もしあなたが、歯科医師国家試験に対して不安を抱えている場合、ぜひ当メディアの記事を読んで知識やスキルを身に付け、合格に向けた正しい努力ができることを願っています。

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