【慎重に考えよう】歯学部が向いてる人の5つの特徴と進路選びの注意点
- 公開日:2024.02.14
- 更新日:2024.02.14
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あなたは、
- 歯学部に興味があるけれど、自分が向いてるか不安
- 歯学部に向いてる人ってどういう人だろう?
- 歯学部の実際の勉強内容や生活から、向いてるかどうか考えたい
などの悩みや疑問をお持ちではありませんか?
歯学部に入ると卒業後のキャリアの選択肢も絞られますので、自分が向いているかどうかよく見極めて受験を検討したいですよね。
結論からいえば、歯学部に向いているのは、
「コミュニケーションが嫌いじゃない人」
「粘り強い人」
など、ごく一般的な人であり、特別優秀じゃなければいけないわけではありません。
しかし、歯学部生の勉強量はそれなりに多いため、自分が向いているのかよく考えて受験することも大事です。
そこでこの記事では、
- 歯学部に向いている人の5つの特徴
- 歯学部の学生生活や勉強内容から、向いているかチェックすること
について詳しく解説します。
気になるところから読んで、歯学部受験の参考にしてみてください。
目次
1章:歯学部に向いている人の5つの特徴
それではまずは、歯学部に向いている人の特徴を紹介します。
歯学部に向いているのは、下記のような特徴を持つ人です。
- コミュニケーションが嫌いじゃない
- 手先が器用
- 集中力がある
- 技術や知識の修得が好き
- 粘り強い
順番に解説します。
1-1:コミュニケーションが嫌いじゃない
歯科医師になると、毎日患者さんとコミュニケーションを取り、
- どういう悩みや症状を持っているのか
- どのくらいつらい思いをしているのか
- どうしてほしいのか、どうなりたいのか
などを正確にキャッチする必要があります。
また、患者さんのニーズを理解した上で、治療計画を立て専門家として提案し、患者さんに納得してもらう必要があります。
特に、「歯医者嫌い」「治療が怖い」という患者さんも多いですし、患者さんには子どもも多いです。
また、現代では「気に食わなければ別の歯医者に行く」という人も多いです。
そのため、患者さんの不安をできるだけ解消し、治療後に満足してくれるようにコミュニケーションをとる必要があります。
患者さんに寄り添って共感する力が大事といえます。
そのため、コミュニケーション能力は、歯科医に求められる大事な能力の一つです。
とはいえ、コミュニケーションが苦手だからといって、歯学部受験をあきらめる必要はありません。
歯学部ではたくさんの実習があり、専門家としての適切なコミュニケーションを身につけることができるからです。
そのため、コミュニケーション能力に自信がなくても、「コミュニケーションが嫌いじゃない」人であれば、歯学部は向いています。
1-2:手先が器用
歯科医師は、狭い口の中でさまざまな器具を使い、スムーズに治療する必要があります。
具体的には、以下のような場面で手先の器用さが求められます。
- 虫歯の治療:虫歯の治療では、器具で歯を削ったり、詰め物や被せ物を作る作業があり、歯の形や大きさを正確に把握し、細かい作業を正確に行うことが求められます。
- 歯周病の治療:歯周病の治療では、歯石や歯周病菌を取り除く作業があり、歯と歯茎の境目など狭い範囲で細かい作業を行います。
- 矯正歯科:矯正歯科では、ワイヤーやブラケットを使って歯を動かす作業があり、歯の動きや噛み合わせを正確に把握し、細かい調整を行うことが求められます。
これらの治療の中で、歯科医は、患者さんの痛みや不快感をできるだけ軽減しながら治療を行う必要があります。
そのため、手先が器用な人は、歯学部に向いているといえます。
とはいえ、歯学部では実習の中でたくさん練習することができますし、現代では治療器具も発達しています。
そのため、今の段階で手先の器用さに自信がなくても問題ありません。
1-3:集中力がある
歯科医師には、
- 患者の口腔内を細かく観察する
- 複雑な手技を正確に行う
といったことが仕事の中心になるため、集中力を維持する能力が必要とされます。
そのため、集中力に自信がある人は、歯学部に向いているといえます。
しかし、歯学部の受験生の段階で集中力に自信がなくても、向いてないと思う必要はありません。
なぜなら、集中力も歯学部のカリキュラムの中で養っていくことができるからです。
また、歯科医師に求められる技術や知識を身につけることで、仕事に対するやりがいや責任感を感じられるようになり、それが集中力を高めることにもつながります。
もし歯学部を志望する今の段階で「集中力に自信がない」と不安があるなら、毎日の受験勉強を通じて集中力を身につける努力もしてみてください。
1-4:技術や知識の修得が好き
歯科医師に求められる知識や技術は、医学の進歩や治療技術、治療器具の発達によって、日々変化します。
そのため、
- 新たな知識や技術の修得が好きな人
- 自己の成長や勉強に貪欲な人
は歯科医としても成長していけるため、歯学部にも向いています。
また、歯学部では医学や歯学に関する幅広い知識や技術を身につけるため、技術や知識の修得が好きな人であれば、歯学部で学ぶ内容に興味を持って、日々楽しみながら取り組むことができるでしょう。
逆に、知識や技術の修得が嫌いで、地道な努力を楽しめないという人には、歯学部は向いていないかもしれません。
とはいえ、どのような分野も学びを進めるうちに好奇心が高まり「もっと学びたい」という意欲も出てくるものです。
歯学部の在学生や卒業生の多くも、最初から高い意欲を持っていたわけではありません。
そのため、今の段階で知識や技術に対する高い意欲がなくても自信をなくさず、まずは入学を目指して努力することも大事です。
1-5:粘り強い
粘り強い人も歯学部が向いています。
繰り返しになりますが、歯科医師は、患者の口腔内を細かく観察したり、複雑な手技を正確に行うために、高い技術と知識を身につける必要があります。
そのため、歯学部では6年間にわたって、膨大な量の勉強や実習に取り組むことになりますので、粘り強く勉強や実習に取り組める性格の人は、歯学部に向いているのです。
また、3章でも解説しますが、歯科医師国家試験は、近年は合格率が60%台であり、一発合格できない学生も多いです。
そのため、たとえ不合格になってしまっても、粘り強く受験対策を練り直して努力することが求められます。
このような勉強における粘り強さは、受験勉強や歯学部の生活の中でも養うことができるものです。
「自分には粘り強さはないかも」と思っても、これからの努力で身につけることができますので、まずは受験勉強から頑張ってみてください。
1-6:臨機応変に対処できる
治療中、予期せぬトラブルがあるかもしれません。
それに焦ることなく、冷静に対処する力が歯科医師には求められます。
さらに、お口の中だけでなく、全身状態も考慮しながら治療しなければいけません。
では、この予期せぬトラブルに柔軟に対応するにはどうしたらよいかというと、やはり日頃の勉強、実習にどれだけ取り組んだかが物をいいます。その自信が冷静に、かつ臨機応変に対処する力につながります。
さて、次に歯学部の実際の学生生活を紹介します。
あなたが歯学部に向いているか判断する上で参考にしてください。
2章:歯学部の学生生活から向いているかチェックしよう
歯学部の学生生活は、簡単にいえば勉強中心になります。
そこで、これから紹介する学生生活からあなたも未来をイメージし、歯学部が向いているか判断する材料の1つのしてみてください。
2-1:歯学部の学生生活の流れ
歯学部の学生生活は、下記のような流れになります。
- 1年生:一般教養
- 2年生:一般教養+歯科医学の基礎
- 3年生:基礎中心
- 4年生:基礎+専門分野
- 5年生:臨床実習
- 6年生:臨床実習+卒業試験(国試対策)
※大学により多少異なります。
1、2年生は他の学部と同じように、一般教養や歯科医学の基礎を学びます。
そのため、勉強量にもまだ余裕があり、それほど忙しいわけではありません。
3年生になると基礎、4年生になるとさらに専門分野の勉強が増えますので、忙しくなります。
また、4年生以降には共用試験や臨床実習もあるため、試験対策などでも忙しくなります。
2-2:歯学部の勉強内容
「そんなに勉強ばかりになるの?」と疑問をお持ちになったかもしれません。
歯学部生は、生理学、解剖学、病理学を中心に専門的な勉強が膨大にあります。
それだけでなく、進級に必要な試験も難しく、さらに下記のように共用試験や歯科医師国家試験も行われます。
- 4年次:臨床実習前の共用試験(CBT、OSCE):4年間の学びの総まとめとして行われる。
- 5年次:臨床実習開始。
- 5年次:臨床実習において共用試験(POST-CCPX)を受験し、臨床能力の修得を測る。
- 6年次:歯科医師国家試験の受験。
共用試験について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
「歯学部 共用試験」
まとめると、歯学部生の学生生活は、
- 膨大な範囲の勉強
- 各試験や国試対策
が中心になるため、遊ぶ時間やバイトの時間はとりにくいのが普通です。
そのため、もしあなたが「受験から解放されて大学生になったら遊びたい!」と思っているなら、それが可能なのは学生生活の最初の短い期間だけだと思っておきましょう。
また、もしアルバイトをするなら歯科助手バイトなど勉強につながるものを選ぶのがおすすめです。
下記の記事も参考にしてみてください。
歯科助手バイトは歯学部にとってメリットが多い!仕事内容・メリットを徹底解説!
また歯学部に入って「遊べないかも」と不安な場合、下記の記事の内容が参考になるかもしれません。
3章:歯学部を選ぶ上で知っておくべきこと
ここまでを読んで、歯学部があなたに向いているか判断できたでしょうか?
もし「まだ判断できない」「迷いがある」という場合は、これから説明することも含めて慎重に考えてみてください。
3-1:歯科医師国家試験の合格率は低い
歯学部生として最も大事なのが、歯科医師国家試験に合格することです。
歯科医師国家試験は浪人するほど合格率が下がるというデータがありますので、まずは一発合格を目指して勉強を進めることが必要です。
しかし、近年の歯科医師国家試験の合格率は、63~65%と低く推移しており、国試は難化傾向にあるといわれています。
そのため、一発合格を目指して真剣に学生生活を送る必要があるのです。
「歯科医師になる」という目標に対して、それだけの高いモチベーションが保てるかどうかが歯学部を選ぶ上での大事な判断基準になります。
そこで、まずどうして歯学部に入りたいのかを見つめ直すことが大事です。
あなたが歯学部を目指す理由には、
- 強い希望を持っている
- 家が歯科医院を開業しているので継がねばならない
- 現在の偏差値にちょうどいい
- 手に職があれば将来困ることが無い
など様々なものがあると思います。
しかしここで一番重要なのは、一番上に記載した本人の強い意志があるかどうかです。
歯医者になりたい、という意欲がなければ歯学部で6年間戦い抜くことは難しいでしょう。
そして、歯医者になってからも勉強は続きます。
歯科医師は現在飽和状態です。
最新の技術に常にアンテナを張って、自身の治療に取り入れねば淘汰されてしまいます。
歯科医師の資格を手に入れてからも、生涯勉強する覚悟は必要です。
3-2:不合格だった時のキャリアの選択肢は多くない
考えたくないことですが、歯科医師国家試験に繰り返し不合格になった場合は、他のキャリアの選択肢を考えなければなりません。
その場合、もちろん一般企業を選ぶこともできますが、これまでにやってきた勉強を活かすなら、医療機関や歯科医療機器メーカー、製薬会社などが選択肢になります。
6年間歯学の勉強ばかりしてきたのですから、たとえば理系の学部の人などに比べれば就職先の選択肢は狭くなります。
そのため、歯学部を目指すのであれば、歯科医や歯科と関連するキャリアに絞られるつもりで、その分野にそれだけの興味や情熱を持てるかよく考えることをオススメします。
歯学部の受験に迷いがある場合、歯学部に入った先輩や歯学部に詳しい予備校の教員など、歯学部について知識を持っている人に相談してみることもオススメします。
当サイト「歯科国試.com」には、歯学部の生活や勉強内容などたくさんの記事がありますので、ぜひそれらも参考にして考えてみてください。
まとめ:歯学部への進学は慎重に考えよう
あなたに歯学部が向いているか、判断する参考になったでしょうか?
最後に、この記事の内容をまとめます。
歯学部が向いている人の特徴は下記の通りです。
- コミュニケーションが嫌いじゃない
- 手先が器用
- 集中力がある
- 技術や知識の修得が好き
- 粘り強い
- 臨機応変に対処できる
歯学部の学生生活は、一般的に下記のようになります。
- 1年生:一般教養
- 2年生:一般教養+歯科医学の基礎
- 3年生:基礎中心
- 4年生:基礎+専門分野
- 5年生:臨床実習
- 6年生:臨床実習+卒業試験(国試対策)
歯学部を選ぶ上で考えておくべきことは、下記のものです。
- 歯科医師国家試験は難しい
- 歯学部卒の就職先の選択肢は多くない
「歯学部が向いていないかも」と心配しすぎる必要はありません。
学生生活を通じて、歯科医師に向いた自分へと成長していくことも可能です。
ぜひ真剣に考えて、あなたにとって一番の選択をしてくださいね。
当メディア「歯科国試ドットコム」は、歯科医師国家試験の受験生が確実に合格できるように、受験生本人と親御様向けに情報提供するメディアです。
もしあなたが、歯科医師国家試験に対して不安を抱えている場合、ぜひ当メディアの記事を読んで知識やスキルを身に付け、合格に向けた正しい努力ができることを願っています。