歯学部生が医学部コンプレックスを感じる理由とその対応策を徹底解説!
- 公開日:2024.01.17
- 更新日:2024.01.17
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あなたは、
- 歯学部生は医学部生にコンプレックスを感じるのか知りたい
- 歯学部生が医学部生にコンプレックスを感じる理由を知りたい
- 医学部コンプレックスへの対処法を知りたい
とお考えではありませんか。
歯学部生は、様々な事情や周囲の状況により、医学部へのコンプレックスを持っている場合があります。
そこでこの記事では、
1章で、歯学部生が医学部生にコンプレックスを感じる理由
2章で、歯科医師につきまとうマイナスイメージ
3章で、歯学部生は医学部生にコンプレックスを感じる必要はない理由
について解説します。
この記事を読んで、歯科医師は医師に引けを取らない素晴らしい職業であることを知り、楽しい歯学部生活を過ごしましょう。
目次
1章:歯学部生が医学部生にコンプレックスを感じる理由
この章では、歯学部生が、医学部生にコンプレックスを感じる理由について解説します。
- もともと医学部を目指していたが、学力が足りず歯学部入学した
- 親や親戚が医者なので、周囲の目が気になる
- 歯学部は医学部崩れがいくところと見てくる人もいる
- 同じ医師という肩書きなので、比較されることが多い
それぞれ説明します。
1-1:もともと医学部を目指していたが、学力が足りず歯学部入学した
医学部と歯学部は、共に「医師」という肩書きを持つ専門職ですが、一般的には医学部がより高い偏差値を要求されるため、医学部に入学することができなかった人々が歯学部に進むケースが少なくありません。
このような状況は、歯学部生にとっては避けられないコンプレックスの一つとなることが多いです。
しかし、歯学部に入学したからといって、その人自身劣っているわけではありません。
歯学部での学習で立派な知識と技術を身につけ、歯科医師として多くの患者と関わるうちに、歯科医師であることの誇りとやりがいを感じられるはずです。
実際、歯科医師は、非常に専門的なスキルと知識が求められる職業であり、その価値は計り知れません。
1-2:親や親戚が医者なので、周囲の目が気になる
医学部コンプレックスを感じる理由の2つ目としては、親や親戚が医者なので周囲の目が気になるということが挙げられます。
親が医者であれば、間近で医者の働く姿を見ているため自然と意識が向いてしまいます。
また、周囲の親戚にも医者がいるとなれば、周囲も医者という存在が半ば当たり前に感じてしまうという状況もあります。
その中で、自分が医学部ではなく歯学部に進学したとなると、周囲に医学部に行けなかった人と思われるのではないかと過剰に気にしてしまいます。
そのため、医学部コンプレックスを感じてしまう場合もあります。
1-3:歯学部は医学部崩れがいくところと見てくる人もいる
歯学部生が抱えるもう一つのコンプレックスは、一部の人々から「医学部崩れ」と見られることです。
このような見方は、医学部と歯学部の偏差値の違いや、一般的な社会的認識に基づいています。
しかし、このようなレッテルは、歯学部生や歯科医師が持つ専門性やスキルを過小評価するものであり、実際のところは全くの誤解です。
歯科医師は、口腔の健康を維持するために必要な高度な医療行為を行います。
これには、独自の専門知識と技術が求められ、医学部とは異なる独自のカリキュラムが存在します。
そのため、「医学部崩れ」というレッテルは、歯科医師の専門性を理解していない人々によってつけられるもので、実際の事情とはかけ離れています。
1-4:同じ医師という肩書きなので、比較されることが多い
「医師」という共通の肩書きを持つことから、歯科医師と一般医師はしばしば比較されます。
この比較は、社会的な認識やメディアの影響によって、歯学部生や歯科医師にとっては避けられないコンプレックスとなる場合があります。
しかし、この比較は表面的なものであり、それぞれの医師が持つ専門性や役割は大きく異なります。
一般医師が全身の疾患を診断・治療するのに対し、歯科医師は口腔内の専門的な治療を行います。
このような違いを理解することで、歯科医師と一般医師のそれぞれの価値と重要性が明らかになります。
2章: 歯学部につきまとうマイナスイメージ
この章では、歯学部につきまとうマイナスイメージについて解説します。
- 歯学部は学費が高い
- 職人的要素が強く、技術を学ぶのが大変
- 働き方の選択肢が少ないといわれている
- 歯科医師過剰問題に伴い、就職が大変と考えられている
それぞれ説明します。
2-1:歯学部は学費が高い
歯科医師としてのキャリアをスタートさせるためには、まず歯学部に入学する必要がありますが、歯学部の学費の高さのため大きなハードルとなる場合があります。
全国には歯学部が29ありますが、その中で国公立大学はわずか12校しかありません。
特に人口の多い首都圏の国公立の歯学部は、「東京医科歯科大学」のみです。
このような状況からも、歯学部に入学するためのハードルの高さが伺えます。
国公立大学であれば、6年間の学費は約350万円程度で済む場合もありますが、私立大学の場合はその数倍にもなることが多いです。
具体的には、2,000万円から4,000万円程度が必要とされるケースも少なくありません。
このような高額な学費が必要なため、歯学部に入学するには一定のハードルがあります。
2-2:職人的要素が強く、技術を学ぶのが大変
歯科医師という職業は、高度な専門性と社会的地位を持つ職業です。
昨今は、医療の質の均一化が叫ばれ医療機器の発達や精度向上に伴い、以前よりも個々人の技量の差は明確に表れなくなりました。
そうとはいえ、やはり外科医である歯科医師は、まだまだ手先の器用な方が有利な点が多いことも事実です。
そのため、特に研修医や若手のスタート時には、高度な専門知識だけでなく、手先の器用さがあると有利になります。
また、手術などの繊細な作業においては、この職人的要素が極めて重要になります。
しかし、この技術を磨くには長い時間と努力が必要です。
もちろん、医療の現場では、人間性やコミュニケーション能力も非常に重要です。
しかし、それだけでは歯科医師として成功する保証はありません。
例えば、優れた頭脳と人間性を持っていても、手先が不器用であれば、処置を行うことは難しいです。
逆に言えば、成績が平均的でもコミュニケーションが得意で、さらに手先が器用であれば、歯科医師として成功する可能性は高くなるということです。
このような手先の器用さや技術力の向上のためには、先輩が行なっている治療をすぐそばで見学し、実際に自分で治療をしてみるという日々の研鑽が必要です。
また、患者さんに寄り添った治療をするためには、知識や技術だけでなく、患者さんの立場に立って治療をしていくという人間力も重要です。
これらは、一朝一夕で身に付くものではなく、歯科医師になってからも日々磨いていかなければなりません。
2-3:働き方の選択肢が少ないといわれている
歯科医師の勤務先は大きく分けると、大学病院、研究期間もしくはその他の医療機関です。
一部の歯学部卒業生は、医療分野の会社に就職したり、公務員になったりしますがごく少数です。
基本的には、医療機関での勤務となるため、その点を見れば働き方の選択肢は少ないです。
しかし、同じ医療機関でも、大学病院なのか地域のクリニックなのかで全く診療内容も異なります。
また、歯科医師として
- 審美歯科を極めるのか
- 高齢者のインプラント技術を磨くのか
など、どの専門分野を伸ばしていきたいのかも人によって異なります。
そのため、自分自身がどのような歯科医師になりたいのかしっかりと想像できていれば、医療機関という大きなくくりでは同じでも、歯科医師としての働き方は多種多様と言えます。
2-4:歯科医師過剰問題に伴い、就職が大変と考えられている
歯科医師過剰問題のため、政府が歯科医師国家試験合格者数を削減している動きもあり、歯科医師になった後も収入や雇用に不安を持つ人も多いと思います。
しかし、全国547大学を対象とした「学部別就職率のデータ」によると、看護・保健・医療分野の学生の就職率は非常に高いです。
2017年から2020年の4年間、すべて92%以上の就職率となっています。
歯学部の単体データではありませんが、医療分野の国家資格を持つ歯学部卒業者の就職率は決して低くないです。
3章:歯学部生が医学部生にコンプレックスを感じた時の対処法
この章では、歯学部生が、医学部生にコンプレックを感じた時の対処法について解説します。
- 他人と比較せず、ありのままの自分を受け入れる
- 学業以外に自分が打ち込めることを見つける
- 医学部再受験を検討する
それぞれ説明します。
3-1:他人と比較せず、ありのままの自分を受け入れる
学歴コンプレックスを克服するには、他人と自分を比較することをやめ、ありのままの自分を受け入れることが有効です。
歯学部生として、医学部生との違いに劣等感を感じることはありますが、それぞれの道にはそれぞれの価値があります。
自分が選んだ道に誇りを持ち、自分自身の成長に集中しましょう。
他人の成功を羨むのではなく、自分自身の小さな成功を認め、喜びを見つけることが大切です。
3-2:学業以外に自分が打ち込めることを見つける
学業以外の分野で自分が打ち込める何かを見つけることも、コンプレックスを克服する手助けになります。
趣味やスポーツ、ボランティア活動など、自分が情熱を感じる活動に時間を割くことで、自己価値を再発見し、自信を築くことができます。
これらの活動は、学業の成績や専門分野とは無関係に、自分自身の能力や人間性を高める機会を提供します。
3-3:医学部再受験を検討する
医学部への再受験を検討することも、ひとつの選択肢です。
医学部に再受験し入学することができれば、コンプレックスを根本的に解消できます。
しかし、再受験を決断する前に、本当に医学部が自分の望む道なのか、その動機を深く考えることが重要です。
自分の本当の目的と情熱を見極め、それが歯学部ではなく医学部にあるのであれば、再挑戦は有意義な選択です。
しかし、再受験は簡単な道ではなく、何年かかるかも合格できるのかもわからない、茨の道であることであるという覚悟が必要です。
4章:歯学部生は医学部生にコンプレックスを感じる必要はない
この章では、歯学部生は、医学部生にコンプレックを感じる必要はない理由について解説します。
- 平均年収は医師に引けを取らず、社会的地位も確立されている
- 歯科医師国家試験は難化した分、知識・技術は均一化してきている
- 歯科医師は口腔内のスペシャリストとして価値ある人材である
- 大学病院やクリニックなど様々な働き方がある
それぞれ説明します。
4-1:平均年収は医師に引けを取らず、社会的地位も確立されている
令和4年度の賃金構造基本統計調査によると、歯科医師の平均年収は約810万円です。
また、平均月収は約62万円、平均年間賞与は約63万円となっており、勤務形態や年代、性別によって変化します。
医師の平均年収の約1445万円と比較すると低く感じてしまうかもしれませんが、日本人の平均年収である461万円と比較しても決して低い収入ではありません。
また、アメリカや韓国では、医師よりも歯科医師の方が人気の職業です。
アメリカでは、医師免許取得後に歯科医師になるという構図もあり、アメリカの職業ランキング上位には、常に歯科医師や矯正歯科医師がランクインしています。
アメリカで歯科医師を名乗ると、
「おぉデンティスト!!」
と尊敬の眼差しを向けられ、社会的地位は非常に高いです。
4-2:歯科医師国家試験は難化した分、知識・技術は均一化してきている
近年、歯科医師国家試験の難易度が高まっています。
この傾向は、歯学部生が歯科医師になるハードルを上げ、歯学部生の負担が大きくしていることも事実です。
しかしその一方で、試験の難易度が高まることで、歯科医師として働く際に必要な基礎知識や技術が確実に身につくようになっています。
これは、患者さんに対して、より高度な治療を提供できるという点で非常に価値があります。
そして、このことは歯科医師になってしまえばより高い専門性・知識を持った人材であるという証拠にもなります。
4-3:歯科医師は口腔内のスペシャリストとして価値ある人材である
一般的には、歯科医師は口の中だけしか診察できないというイメージがあるかもしれません。
しかし、口腔内は、人体の健康状態を反映する重要な場所であり、そのケアが全身の健康にも影響を与えるのです。
そのため、歯科医師は、口腔内の疾患だけでなく、全身症状にも対応する能力を持っています。
また、口腔外科の専門家として、顎関節症や下顎前突症の手術も行います。
このように、歯科医師は口腔内のスペシャリストとして、非常に高い専門性と価値を持っています。
また、厚生労働省によると歯科の貢献によって、入院日数が削減されたというデータもあります。
メタボリックドミノ(メタボリックシンドロームを原因として、ドミノ倒しのように重篤な病気に進行すること)を阻止できるのも、歯科医師の貢献によるものと言われており、多岐にわたって歯科医師は活躍しています。
医学部を卒業した医師と比較して劣ると感じる必要はなく、むしろその専門性は医療の多様性と高度化に貢献しています。
4-4:大学病院やクリニックなど様々な働き方がある
歯科医師の勤務先は、基本的には医療機関ですが、医療機関もさまざまあり自分のしたい働き方に合わせて勤務先を選択できます。
①大学に残る
歯学部卒業後の進路の選択肢として最も多いパターンは、大学に残るという選択肢です。
卒後臨床研修を行い、そのまま大学病院に残り働く場合が多いです。
一般診療を継続する歯科医師もいますし、大学院へ進学し研究を行う歯科医師もいます。
大学病院や研究機関で、歯科の治療にかかわる材料や新しい治療法、病気の予防や解明などを専門的に研究します。
大学院での研究の過程で、海外へ留学し研究を行う人もいます。
②診療所 、病院、介護施設
・診療所
診療所とは、歯科医院やデンタルクリニックのことです。
虫歯の治療や定期検診など一般的な歯科診療をメインに行います。
矯正歯科や小児歯科など、専門分野を明確にしている診療所もあります。
自分が学びたい分野を専門とする診療所を選ぶのもオススメです。
歯科医師のなかには、診療所で勤務医として経験を積んだ後、独立開業する人もいます。
・病院
病院は大きく分けて、「医育機関附属の病院」と「一般病院(医育機関附属の病院を除く)」の2種類あります。
診療所と比較すると、病院は設備が整っており、歯科医院では対応が難しい治療を行います。
高度な治療を行なっており、勉強になることがメリットです。
・介護施設
また、「介護老人保健施設」は、病院などの医療機関で治療を終えた高齢者が、在宅への復帰を目標に生活する施設です。
入れ歯の調整やむし歯の治療などの、口腔機能管理がメインの仕事になります。
まとめ:歯学部にも魅力はたくさんあり、医学部にコンプレックスを感じる必要はない
この記事では
歯学部生が、医学部生にコンプレックスを感じる理由は
- もともと医学部を目指していた
- 親や親戚が医者なので、周囲の目が気になる
- 周囲の人が医学部崩れと見てくる場合がある
- 同じ医師という肩書きのため比較されがちである
といったことがありました。
歯学部にマイナスイメージがある場合もあり
- 学費が高い
- 職人社会で学ぶことが大変
- 歯科医師過剰問題のため、就職が困難と考えられている
といったことが挙げられます。
しかし、歯学部生卒業後は
- 平均年収は医師に引けを取らず、社会的地位も確立されている
- 歯科医師国家試験は難化した分、知識・技術は均一化してきている
- 歯科医師は口腔内のスペシャリストとして価値ある人材である
- 大学病院やクリニックなど様々な働き方がある
といったこともあり、決して医学部にコンプレックスを感じる必要はありません。
医学部へのコンプレックスを克服し、歯学部での勉強に励み、立派な歯科医師を目指しましょう。
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もしあなたが、歯科医師国家試験に対して不安を抱えている場合、ぜひ当メディアの記事を読んで知識やスキルを身に付け、合格に向けた正しい努力ができることを願っています。