【効率的に勉強しよう】歯科医師国家試験の過去問の3つのやり方を解説
- 公開日:2024.02.02
- 更新日:2024.02.02
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あなたは、
- 歯科医師国家試験の過去問のやり方が知りたい
- 過去問をより効率的に使って合格に近づきたい
などの悩み、疑問をお持ちではありませんか?
歯科医師国家試験は範囲が膨大ですので、効率的な勉強は非常に重要です。
一番やってはいけないのが、過去問を「なんとなく解いて終わり」にしてしまうことです。
逆にいえば、過去問の活用法を工夫することで、他の受験生の一歩先を行くことができます。
そこでこの記事では、
- 歯科医師国家試験の過去問のやり方とポイント
- 過去問を含む効率的な勉強法
などについて詳しく解説します。
この記事の内容を、あなたの普段の勉強に活用してくださいね。
目次
1章:歯科医師国家試験の過去問の3つのやり方
それではさっそく、歯科医師国家試験のやり方を解説します。
※歯科医師国家試験の過去問は、当サイト内に整理して閲覧できるようにしています。
下記のページにありますので、ご活用ください。
まず、国家試験では、過去問の頻出知識から勉強していくことが最も効率的です。
そのため、過去問の問題集と解説がセットになった過去問解説書のテキストをメインのテキストとして使用し、国試対策に臨むことが大事です。
そして、過去問のやり方としてオススメなのが、受験時の1年間で過去問を3周解くことです。
一般的な市販の過去問解説書は、合計で7,000〜9,000ページほどあり、進むペースは個人差もあり人によって違います。
例えば、過去問を1日100ページ勉強しても、3周するためには最短でも210日かかります。
そのため、1年かけてしっかり毎日取り組むようにしてください。
ここでは、過去問のやり方について、1周目、2周目以降で大事なポイントを解説します。
1-1:過去問の1周目のやり方
それでは、まずは過去問の1周目のやり方を解説します。
1周目のやり方は、主に下記の3つです。
- まずは1周目を解いて全体を把握する
- 解いたら得意・苦手分野をチェック
- 過去問の解説も活用する
順番に説明します。
1-1-1:まずは1周目を解いて全体を把握する
過去問の1周目は、まずは解くことで歯科医師国家試験の全体像を把握してみましょう。
- この科目は、このような問題が多く出るんだな
- この分野の出題が多いな
- この部分はたくさん出るから大切そうだな
といったことを意識しながら解いてください。
繰り返しになりますが、効率的な国試対策で大事なのが、頻出問題を押さえることですので、ここでは全体をチェックしましょう。
また、どのくらいのペースで解けば間に合うのか、といったことも過去問を通して解くことで体感できると思います。
1-1-2:解いたら得意・苦手分野をチェック
1周目を解き終わったら、答え合わせをして得意分野、苦手分野を確認しましょう。
特に、頻出問題で正答率が低い問題があれば要チェックです。
1-1-3:過去問の解説も活用する
答え合わせをしたら、
- 間違っていた問題
- 正答していたが、あてずっぽうやまぐれで解けた問題や解答に自信がなかった問題
について、重点的に解説を読んで理解するようにしましょう。
また、分からない部分があれば、他のテキストで調べてよく理解しておくことが大事です。
全体を通して、1周目はさらっと解くようにしてください。
1-2:過去問の2周目以降のやり方
過去問の2周目以降は、下記のやり方で行いましょう。
- 出やすいところを丁寧に仕上げる
- 時間配分・優先順位を意識する
- 年度ごとにも過去問を解く
簡単に説明します。
1-2-1:出やすいところを丁寧に仕上げる
歯科医師国家試験の過去問の2周目は、出やすいところを丁寧に仕上げることが大事です。
1周目で頻出問題などが把握できているはずですので、
- 頻出問題を間違わないようにしっかり解く
- 正答以外の誤答選択肢にもしっかりと焦点を当て「なぜこの選択肢は誤答なのか」「どう変えれば正答になるのか」などをよく考える
ということが大事です。
1-2-2:時間配分・優先順位を意識
2周目からは、全体の時間配分や優先順位も意識してください。
- 細かく区切って、自分で時間を制限して解く
- マニアックな問題は後回しにし、後から確認する
といったやり方を意識してください。
速く正確に解けるようにしていくこと、そして間違ったところを見直して理解を深めること、これをスピーディーに行って、国試までに全体を通して得点が取れるようにしていきます。
1-2-3:年度ごとにも過去問を解く
過去問解説書を中心に勉強を進めていくと、どうしても科目ごとの勉強に偏りがちになります。
しかし、実際の国家試験では各科目がランダム形式で出題されます。
そのため、過去問を年度ごとに解いてみることも定期的に行ってください。
年度ごとに解くことで、自分が国試本番でどれだけ通用するのかを確認することができます。
歯科医師国家試験の過去問が厚労省のHPからダウンロードできますので、直近10年分ほどダウンロードして、年度ごとに過去問を解く際に活用してください。
1-3:過去問を解くだけで満足しないことが大事
さて、歯科医師国家試験の過去問のやり方を説明しましたが、重要なのは過去問を解くだけで満足しないことです。
過去問をたくさん解くことで、なんとなく達成感を感じて終わってしまうのはよくありません。
過去問は、
- 自分のレベルのチェック
- 解説を読んで理解する
など常に目的を明確にして活用しましょう。
また、当然ですが、歯科医師国家試験の対策として過去問だけでは不十分です。
そこで次に、歯科医師国家試験の受験対策のやり方について、大事なポイントを解説します。
2章:歯科医師国家試験の過去問を含む受験対策のやり方
受験勉強のゴールは、国家試験本番で初見の問題に対して、自分の持てる知識と思考力を総動員して、問題を解いていくところにあります。
したがって、最終的に合格を左右するのは「インプット力」ではなく「アウトプット力」です。
ここでのインプット、アウトプットとは下記の意味です。
- インプット力:暗記する力
- アウトプット力:覚えた知識を組み合わせて、自分の考えを出力する力
このアウトプット力を高めるための重要なポイントは、下記の通りです。
- インプットは最小限に
- コアな知識を完璧にする
- 科目間のつながりを意識する
- アウトプットに注力する
順番に説明します。
2-1:インプットは最小限に
歯科医師国家試験では、過去問の活用も含めてインプット(暗記)は最小限にし、最小限の知識から答えを導き出す力を身につけることが大事です。
インプット(暗記)作業は、受験生にとって一番の悩みのタネであり、最も時間をかけてしまう作業です。
しかし、あなたもご存じの通り、歯科医師国家試験の範囲は膨大ですので、暗記を重視すると無限に時間を取られてしまいます。
そのため、暗記すべきところと、そうでないところを区別し、暗記は最小限にすることをおすすめします。
なぜなら、必修問題を除く一般問題・臨床実地問題では、最低限必要な知識を使っていかに答えを導き出すかが最も労力の少ない回答方法であり、それこそが出題者の意図と呼ばれるものなのです。
歯科医師国家試験のインプット(暗記)とアウトプットは、下記のように考えましょう。
■全体の60%ほどはインプット中心
歯科医師国家試験の問題数の60%ほどは暗記だけでも対応可能な問題です。
しかし、全てを完璧に暗記できるような受験生はいないため、その問題で満点を目指すのは正しい戦略とは言えません。
■残りの40%ほどはアウトプット中心
残り40%ほどの問題は、アウトプット中心に対策する必要があります。
この40%ほどの問題において「最低限の知識を使って答えを導き出す」問題の正答率をいかに高めていくかに注力することで、全体の得点効率を上げることが可能です。
したがって、過去問を活用した勉強のやり方としても「間違ったところは、暗記して間違わないようにする」といった方法よりも、覚えることを減らして論理的に答えを導き出せるように工夫しましょう。
そのため、やみくもに暗記を始めるだけではなく、まずは最低限の知識だけを覚えるということをしっかりと意識した上で、毎日の学習計画を組み立てていきましょう。
2-2:コアな知識を完璧にする
歯科医師国家試験では、
- 過去問で何度も問われているような国家試験で重要とされている知識
- あらゆる方向からの問われ方が可能な知識
というような「コアな知識」を扱う問題にいかに対応できるかが合格の鍵です。
このようなコアな知識を問う問題は、大学の1〜5年生の定期試験・進級試験でも問われてきたような基礎問題であることが多いです。
そのため、受験生のあなたは「自分はわかっている」「ここは対策しなくて大丈夫」などと思ってしまうかもしれません。
実はここに大きな落とし穴があります。
確かに、コアな知識そのものを問う問題は誰でも知っている・できるような基礎的な問題です。
しかし、国家試験で難しいとされている問題の多くはコアな知識を使った「考え方」を問う問題なのです。
具体例で説明します。
下記の115A-88の問題を読んでみてください。
この問題は、基礎的な知識を問う問題にも関わらず、正答率30%と、ほとんどの受験生が間違えた難問です。
一見して、しっかりと勉強している人ほど、
- 糖尿病は低血糖に陥りやすいので「ブドウ糖の投与」
- 意識消失しているから「アドレナリンの投与」
といった知識が頭の中に浮かんできてしまい、選択肢に惑わされやすいのです。
しかし、呼吸があるものの反応がない人には「まず、気道確保・回復体位」という、歯学部生であれば必ず習っている「救急蘇生法」のコアな知識を十分に理解していれば、迷いなく選べる問題なのです。(正答:a)
このような難問で正答するために必要なのが、繰り返しになりますが「コアな知識」を使うこと、そして暗記ではなく自分の頭を使って答えを導き出す力なのです。
このような問題を提示している出題者側は、その問題を通じて、歯科医師として必要な「考え方」を問おうとしています。
そのため、基礎知識を表面上だけ知っていても、間違った通り道や考え方をしてしまっては正解を導き出すことができません。
「コアな知識」は大学や予備校の講義、参考書などで何度も繰り返し出てきますので、そのような知識に直面した際は、「分かった気分」にならず完璧に理解することを目指しましょう。
2-3:科目間のつながりを意識する
歯科医師国家試験の対策として、科目間のつながりを意識することも大事なポイントです。
あなたは、受験勉強をしていく中で「今週は補綴学・来週は矯正学」というように特定の科目をバラバラに進めていこうとしていませんか?
残念ながら、それは正しい勉強法とは言えません。
もちろん、直前期の追い込みなどのタイミングで、苦手な科目だけを集中的に勉強することは、既にある程度理解している内容を更に深めるためには効果的なこともあります。
しかし、これから受験勉強を始めるといった場合は、そのように科目ごとに勉強をするのではなく、常に科目間を跨ぎながら勉強していくことを意識していきましょう。
例えば、補綴学の過去問を解いていく際に、理工学・解剖学といった関連する科目や、全身疾患・先天性異常といった関連する知識を、どんどん調べて肉付けしながら勉強をしていくといったイメージです。
このような勉強法は、一つの過去問を解くだけでもかなりの時間がかかり、1日の進度は遅くなります。
しかし、特定の科目だけを勉強するよりも強固な知識に仕上げることができ、まさにこのような科目間の知識こそが国家試験で問われやすい領域なのです。
加えて、国家試験本番では科目ごとに順番に問題が並んでいる訳ではなく、科目がランダムな順序で出題されます。
その際に、「この問題はこの科目だからこの知識」といった知識の引き出し方をしていると、スムーズに思い出せないばかりか、ちょっと捻られた問題であれば間違えてしまうことでしょう。
したがって、普段から科目間の垣根を無くした勉強の仕方をしておけば、国家試験本番であらゆる問われ方をされても対応できるようになるのです。
過去問のやり方としても、科目ごとに勉強することに加えて、たまには年度ごとに通して解いて、ランダムな出題に慣れることが大事です。
2-4:アウトプットに注力する
歯科医師国家試験の受験勉強では、インプット:アウトプット=2:3の比率で、アウトプットに注力していくことを意識していきましょう。
そのアウトプット作業には、主に以下の方法があります。
- 過去問を解く際に、自分なりの考え方を書き出しながら解く
- 自分が覚えた知識を人に分かりやすく説明する
- 自分なりの言葉で体系化してノートにまとめる
ここで重要なことは、以下のイメージの通りインプットした知識を単純にそのまま出力・反復するだけではアウトプットには当てはまらないということです。
■ダメなアウトプットのイメージ
インプット アウトプット
A → A
B → B
C → C
■正しいアウトプットのイメージ
インプット アウトプット
A
B → A×B×C=D(自分の考え)
C
つまり、個別にインプットして覚えた知識を掛け合わせて、自分の考えとして出力することが、アウトプット作業で最も大切なのです。
アウトプット作業のまず手っ取り早い方法としては、
- ① 1日の勉強終わりに勉強した内容を振り返る時間
- ② 翌朝に前日の勉強内容を1から思い出す時間
のそれぞれ15〜30分間で、テキストや参考書などを見ずに覚えている知識だけを使い、その日勉強した内容から自分なりの考えを1からノートに書き出してみることです。
一見簡単なように思えますが、実際試してみると、初めからこれを完璧にできる受験生はほとんどいません。
それくらい、覚えたことを自分の考えとして、人に説明できるレベルでアウトプットできるようになるためには、訓練が必要なことなのです。
しかしながら、日頃からこのようなアウトプット作業に注力することを心がけていけば、国試本番にはかなりの力が付いていますので、ぜひ意識して取り組んでみてください。
勉強法について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【歯科医師国家試験】効率的な勉強法、科目・分野別のおすすめ勉強法
3章:過去問のやり方に迷ったら「60日合格塾」に無料相談してください
ここまで、歯科医師国家試験の過去問のやり方や、受験対策について解説してきました。
ここまでを読んだことを実践しても、
「やはり過去問のやり方がもっと知りたい」
「もっと効率よく勉強したい」
などと思われる場合もあると思います。
もし、歯科医師国家試験の受験勉強に不安があるなら、当サイト「歯科国試.com」を運営する【60日合格塾】へお気軽にご相談ください。
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まとめ:歯科医師国家試験の過去問は目的を明確にしてやろう
歯科医師国家試験の過去問のやり方について、理解を深めることはできましたか?
最後にこの記事の内容を振り返りましょう。
■過去問の1周目のやり方
- まずは1周目を解いて全体を把握する
- 解いたら得意・苦手分野をチェック
- 過去問の解説も活用する
■過去問の2周目以降のやり方
- 出やすいところを丁寧に仕上げる
- 時間配分・優先順位を意識する
- 年度ごとにも過去問を解く
過去問は常に目的を明確にして活用することが大事です。
過去問のやり方も含め、受験対策で大事なのは下記のポイントです。
- インプットは最小限に
- コアな知識を完璧にする
- 科目間のつながりを意識する
- アウトプットに注力する
当サイトでは、他にも歯科医師国家試験の受験対策、勉強法について多くの記事を掲載しています。
ぜひ他の記事も参考に、受験勉強を頑張ってください。
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もしあなたが、歯科医師国家試験に対して不安を抱えている場合、ぜひ当メディアの記事を読んで知識やスキルを身に付け、合格に向けた正しい努力ができることを願っています。