歯科医師国家試験は難易度が高い!一発合格するための勉強法を解説
- 公開日:2023.08.08
- 更新日:2023.11.07
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あなたは、
- 歯科医師国家試験の勉強が難しいと感じており、どれくらいの難易度なのか知りたい
- 歯科医師国家試験は難しいと聞いたが、本当に難しい試験なのか知りたい
- 歯科医師国家試験になんとかして今年合格したい
とお考えではことはありませんか?
結論からいえば、
歯科医師国家試験は、約3人に1人が不合格になる難しい試験です。
しかし、いくら難しいとはいえ、できればストレートで合格したいですよね。
この記事では、合格率などのデータを示しながら、歯科医師国家試験の難易度をお伝えし、どのような対策が有効かをお伝えします。
具体的には、1章で歯科医師国家試験の難易度、2章で大学別の歯科医師国家試験の合格率、3章で難易度の高い試験でも一発合格するための勉強法を解説しています。
この記事を読んで、歯科医師国家試験の難易度を知ったうえで、効率よく歯科医師国家試験対策を行いましょう。
目次
1章:歯科医師国家試験の難易度|約3人に1人が不合格になる
1-1:歯科国試は約3人に1人が落ちる難易度が高い試験
歯科医師国家試験の第116回(2024年)の合格率は63.5%(受験者数3,157人、合格者数2,006人)でした。
前年の第115回の合格率61.6% 合格者数1,969人に比べると、合格率は若干持ち直し、合格者数も2,000人を上回りました。
しかし、前年度より合格率は持ち直したものの、歯科国試は約3人に1人が落ちる難しい試験です。
1-2:歯科国試の合格率は下降傾向にある
歯科医師国家試験の受験者数、合格者数、合格率の推移を見ると、第106回(2013年)までは70%台だった合格率が、第107回(2014年)には63.3%と大きく減少しました。
その後、第114回(2021年)までは、合格率は65%程度、合格者数は約2,000名とほぼ横ばいでしたが、第115回(2022年)には合格率61.6%、合格者数1989人へと減少したこともあり、この傾向が今後も続く、あるいはさらに減少すると予測されます。
1-3:歯科国試の合格率が下がっている理由
歯科医師国家試験の合格率が低下している理由の1つとして考えられるのが、2000年代から表面化した「歯科医師過剰問題」です。
「全国の歯科医院の数はコンビニの数より多い」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
昭和40年代から50年代にかけて歯科医師の不足が叫ばれ、多くの歯学部が新設された結果、今度は歯科医師過剰の状態となってしまったのです。
歯学部の入学定員も国から削減の方針が打ち出されていますが、こちらは各大学の経営状況の悪化も相まって、微減傾向にはあるものの定員自体はさほど変わっていないようです。
科医師の需給バランス(供給過剰)と、同時に懸念される質の低下の解決策の一環として、歯科医師の数を絞り込み、削減する施策が、段階的に進められていると考えられています。
2章:大学別の歯科医師国家試験の合格率
2-1:大学別の合格率
第116回(2023年)歯科医師国家試験における大学のカテゴリー別の平均合格率は、
- 国立大学:73.2%
- 公立大学:70.8%
- 私立大学:60.1%
- その他:40.4%
となりました。
全国の歯科大学・歯学部29校の合格率は、
【国立大学】
- 北海道大学歯学部:74.2%
- 東北大学歯学部:69.4%
- 東京医科歯科大学歯学部:78.3%
- 新潟大学歯学部:85.5%
- 大阪大学歯学部:77.8%
- 岡山大学歯学部:70.1%
- 広島大学歯学部:77.0%
- 徳島大学歯学部:61.1%
- 九州大学歯学部:62.7%
- 長崎大学歯学部:71.2%
- 鹿児島大学歯学部:81.5%
【公立大学】
- 九州歯科大学:70.8%
【私立大学】
- 北海道医療大学歯学部:55.2%
- 岩手医科大学歯学部:59.6%
- 奥羽大学歯学部:38.6%
- 明海大学:58.3%
- 日本大学松戸歯学部:55.3%
- 東京歯科大学:92.7%
- 日本歯科大学生命歯学部:76.5%
- 日本大学歯学部:56.0%
- 昭和大学歯学部:77.3%
- 鶴見大学歯学部:54.2%
- 神奈川歯科大学:64.4%
- 日本歯科大学新潟生命歯学部:75.8%
- 松本歯科大学:70.5%
- 愛知学院大学歯学部:54.0%
- 朝日大学:53.2%
- 大阪歯科大学:67.6%
- 福岡歯科大学:39.3%
でした。
出典:第116回 歯科医師国家試験の学校別合格者状況(厚生労働省)
2-2:「合格率」のデータが意味するもの
ここでは、歯科医師国家試験の「合格率」のデータが意味するものについて解説します。
2-1で挙げた大学別の合格率は、「受験者数÷合格者数」で算出されています。
この「受験者数」とは、大学から国家試験の受験資格を与えられた=卒業試験に合格した生徒の総数です。
つまり、国家試験に出願したものの、卒業試験に合格できず、留年や卒業不可となり、国家試験を受験出来ない学生が相当数いると言うことです。
大学が「一定以上の学力を持った生徒のみ、国家試験を受験できるように絞り込んでいる」と言い換えられるでしょう。
また、在学中に一度でも留年・休学を経験した人を除いた「ストレート合格率」は、以下の通りとなります。
上記の表の、一番右にある修業年限(6年)での合格率が、「ストレート合格率」となります。
国公立大学のストレート合格率は総じて高いものの、大学による差が大きく、85.4%(岡山大学)から56.6%(東京医科歯科大学、九州大学)まで開きがあります。
一方、私立大学のストレート合格率は総じて低く、70%を超えている2校(東京歯科大学、昭和大学)以外は、殆どの大学で50%を下回っています。
つまり、私立の歯学部に入学しても、2人に1人は6年間でストレート合格できていないということを意味しています。
このように、合格率が80%を超えている大学でも、ストレート合格率も含めて見てみると、単純に国試に受かりやすい大学とは言えない可能性が高いのです。
3章:難易度の高い試験でも一発合格するための勉強法
3-1:理想の勉強時間・勉強スタイル
3-1-1:勉強時間
理想の勉強時間は、人によって集中力が続く時間や生活リズムが異なり、一概には言えません 。
しかし、最低限確保してほしい2つの勉強時間があります。
- 1日の勉強終わりに勉強した内容を振り返る時間
- 翌朝に前日の勉強内容を1から思い出す時間
をそれぞれ15~30分取ることです。
最低限当日の夜・翌朝の2回思い出すことが、国家試験当日まで頭に残る「長期記憶」とするために欠かせないことです。
3-1-2:勉強スタイル
国家試験勉強においては、毎日多くの分からない知識や問題に直面します。
その際は、
- 何が分からないかを言語化する
- 調べる(分からない場合は人に聞く)
- 調べた結果を人に教えられるまで理解する
というサイクルを回す勉強スタイルが有効です。
3-2:予備校・塾の活用方法
歯科国試対策には、予備校・塾を活用することが有効です。
受験勉強で一番大切な「必ず出題されるコアな知識」がどこかを把握するためには、受験のプロから教えてもらうことが最も早いからです。
3-3:適切なテキストの選び方
3-3-1:最低限必要なテキスト
歯科国試の勉強をするために最低限必要なテキストは、以下の3つです。
- 過去問解説書
- 科目別の参考書
- 過去10年分ほどの過去問(厚労省のHP上でPDFが公開されています)
3-3-2:市販のテキストの選び方
多くの受験生は、市販のテキストを使用しています。
過去問解説書は可能な限り、同じ年度版の全科目をセットで揃えましょう。
科目別の参考書は、過去問No.の記載があるものを選ぶことで、過去問と連動して使用することができるためおすすめです。
3-3-3:大学・予備校のテキストの使い方
また、大学や予備校・塾のテキストやレジュメを、しっかり活用して勉強していきたいと思われる方は多いでしょう。
しかし、大学や予備校のテキストや配布資料(レジュメ)は、「講義をすること前提」で作られたものや、講義に用いたスライドそのまま配布していることが多く、スムーズな理解の妨げになる場合もあるので注意が必要です。
3-4:国試本番を意識した勉強法
3-4-1:インプット(暗記)は最低限に
歯科医師国家試験の問題数の60%ほどは、暗記だけでも対応可能な問題ですが、全てを完璧に暗記できるような受験生はいないため、その問題で満点を目指すのは正しい戦略とは言えません。
そうなると、残り40%の「最低限の知識を使って答えを導き出す」問題の正答率を、いかに高めていくかに注力した方がよっぽど全体の得点効率が上がるのです。
そのため、やみくもに暗記を始めるだけではなく、まずは最低限の知識だけを覚えるということをしっかりと意識した上で、毎日の学習計画を組み立てていきましょう。
3-4-2:コアな知識を完璧にする
コアな知識とは、
- 過去問で何度も問われているような国家試験で重要とされている知識
- あらゆる方向からの問われ方が可能な知識
のことを指します。
その問題を通じて、歯科医師として必要な「考え方」を問おうとしているので、基礎知識を表面上だけ知っていても、間違った通り道や考え方をしてしまっては正解を導き出すことができません。
「コアな知識」は、大学や予備校の講義、参考書などで何度も繰り返し出てきますので、そのような知識に直面した際は、「分かった気分」にならず完璧に理解することを目指しましょう。
3-4-3:科目間の関連を意識する
国家試験本番では、科目ごとに順番に問題が並んでいる訳ではなく、科目がランダムな順序で出題されます。
その際に、「この問題はこの科目だからこの知識」といった知識の引き出し方をしていると、スムーズに思い出せないばかりか、ちょっと捻られた問題であれば間違えてしまうことでしょう。
したがって、普段から科目間の垣根を無くした勉強の仕方をしておけば、国家試験本番であらゆる問われ方をされても対応できるようになるのです。
3-4-4:アウトプットに注力する
アウトプット作業には、主に以下の方法があります。
- 過去問を解く際に、自分なりの考え方を書き出しながら解く
- 自分が覚えた知識を人に分かりやすく説明する
- 自分なりの言葉で体系化してノートにまとめる
など色々な方法があります。
おすすめの方法は、テキストや参考書などを見ずに覚えている知識だけを使い、その日勉強した内容から自分なりの考えを1からノートに書き出してみることです。
得たことを自分の考えとして、人に説明できるレベルでアウトプットできるようになるためには、訓練が必要です。
しかしながら、日頃からこのようなアウトプット作業に注力することを心がけていけば、国試本番にはかなりの力が付いていますので、ぜひ意識して取り組んでみてください。
歯科医師国家試験に一発合格する方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
歯科医師国家試験に一発合格する人の5つの特徴と今日からできること
まとめ:歯科医師国家試験は約3人に1人が落ちる難易度の高い試験
この記事では主に、
- 歯科医師国家試験では約3人に1人が不合格になること
- 歯科国試の合格率は下降傾向にあること
- 大学別の合格率
- 難易度の高い試験でも一発合格するための勉強法
を解説してきました。
歯科医師国家試験は約2人に1人が落ちる難易度の高い試験ですが、きちんとした勉強法でしっかり対策すれば一発合格は十分に可能です。
この記事を読んで、効率よく国家試験対策を行なっていきましょう。
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もしあなたが、歯科医師国家試験に対して不安を抱えている場合、ぜひ当メディアの記事を読んで知識やスキルを身に付け、合格に向けた正しい努力ができることを願っています。