【必見】歯科医師国家試験のブループリントとは?確認すべきポイントを解説
- 公開日:2024.05.21
- 更新日:2024.05.21
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あなたは、
- 歯科医師国家試験のブループリントについて詳しく知りたい
- ブループリントを活かして国試対策をしたい
などの悩み、疑問をお持ちではありませんか?
結論からいえば、ブループリントとは、試験委員が国試の出題に関する基準の、各項目の出題割合と、その具体的な内容を示したものです。
毎年発表されるため、受験生はしっかりチェックすることが大事です。
なぜなら、出題内容は毎年必ず一緒というわけではなく、定期的に改訂されるからです。
そこでこの記事では、
- ブループリントとはどういうものか
- ブループリント・出題基準の解説
- ブループリントが改訂されることについて
を詳しく解説します。
ぜひこれからの国試対策の参考にしてください。
目次
1章:歯科医師国家試験のブループリントとは
それではさっそく、歯科医師国家試験のブループリントについて解説します。
歯科医師国家試験のブループリント(歯科医師国家試験設計表)とは、試験委員が出題に際して準拠する基準(ガイドライン)の各項目の出題割合を示したものとその具体的な内容のことです。
第117回の国試のブループリントは、下記のようになっています。
このように、どの項目がどのくらいの割合で出題されるか、基準が明記されています。
この基準から問題が決まるため、受験対策の1つとして読んでどの項目がどれだけ出題されるのか、チェックしておくことが大事なのです。
ただし、これだけを見ても「よく分からない」と思われる方も多いかもしれません。
そこで次に、ブループリントの具体的な内容を解説します。
2章:歯科医師国家試験のブループリント・出題基準の解説
歯科医師国家試験のブループリントは、出題基準の一部となっています。そのため、出題基準の全体と共に理解しておくことが大事です。
出題基準を知っておくことで、どういう基準で問題が出されるのか、どういう基準で評価されるのかが分かり、国試対策として活用する方法が分かります。
それを理解した上で、ブループリントでどのテーマがどのくらいの割合で出されるのか、どこに重点が置かれているのか、チェックすることをおすすめします。
そこでこれから、
- 合格基準
- 各問題で問われること
について解説します。
この内容を理解し勉強に活かしてください。
2-1:合格基準
歯科医師国家試験では、下記のように合格基準が決められています。
つまり、
- 必修問題は絶対基準があり80%以上の正答率が必要
- 領域A(総論)・領域B(各論)は相対基準が用いられている。それぞれの平均点と標準偏差を用いて設けられた基準点以上の得点が必要
ということです。
より詳しく説明すると、必修問題は、80%以上の正答率がなければ、他の部分でどれだけ得点していても不合格になります。
また、領域A、Bについては、その年の歯科医師国家試験の受験者の中で、相対的に合格基準が決まることになります。
合格基準について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
2-2:各問題で問われること
歯科医師国家試験のブループリントから、各問題を整理すると下記のようになります。
「必修問題」「一般問題」などの中で、上記のような出題内容が出ることになっています。
より細かい内容は、ブループリントに書かれています。
ここでは、それぞれで問われる内容や解くポイントを解説します。
2-2-1:必修問題
歯科医師国家試験制度では、歯科医師として必須の基本的な知識を問うものを必修と定義しており、唯一絶対的範囲が決められているのが特徴です。
範囲が決められているため、過去問と似ている問題が出題されやすい傾向にあり、一般・臨床実地問題と比べて対策しやすいです。
引用元:厚生労働省
この必修を扱う「必修問題」は全80問から構成され、下記の問題形式が出題されます。
- Aタイプ…選択肢の中から1つ選べ
- X2タイプ…選択肢の中から2つ選べ
※このタイプは第116回の出題基準の改訂によって採用
■必修問題の特徴
必修問題は
- 単純な知識のみで解答できる問題が多い
- 過去問の似た問題や基礎的知識に対しての暗記力や瞬発力が問われる
という特徴があります。
しかし、中には見慣れない問題や即答できない問題も必ず含まれています。
そのため、それらを瞬時に見分けた上で、論理的思考力によって答えを導き出すことが必要です。
■必修問題の対策
必修問題対策としては、過去問で一度聞かれた問題は次年度以降に詳しく聞かれる可能性があるため、過去問の正答選択肢の深堀りや誤答選択肢のチェックなどが効果的です
2-2-2:一般問題
一般問題とは、性別・年齢などの条件提示がなく、疾患や病態などの与えられたテーマについての知識を問う問題です。
■一般問題の特徴
一般問題は総論・各論の範囲それぞれから疾患の基礎的な知識を問う問題が満遍なく出題されます。
必修問題のような暗記でも対応できる1問1答の問題形式とはこの点で異なります。
※総論・各論などの区別については、後ほど説明します。
そのため、あやふやに覚えている場合は誤った選択肢を選んでしまう可能性があるため、注意してください。
■一般問題の対策
一般問題で問われる知識の理解が浅い状態では、臨床実地問題の得点力に大きく影響してきますので、過去問を中心にしっかりとした対策が必要といえます。
常に臨床実地問題を意識して、知識のつながりを考えながら勉強してください。
一般問題には「総論」と「各論」があります。
- 総論:「総論」とは、「歯科医学総論」に該当する範囲のことを指し、総論を扱う問題は全問題数のうちおよそ30%を占めています。
全科目の中から「必修の基本的事項」を土台として構成される、歯科医師として必要な専門的・臨床的知識及び技能を問う問題と捉えておきましょう。 - 各論:「各論」とは、具体的な科目・分野に特化、かつ発展的な内容が含まれた範囲のことを指します。
一般的に「臨床系科目」と呼ばれる、小児歯科学、歯科矯正学、歯科保存学3科を中心とした、より臨床に近い科目が各論の大部分を構成しています。
2-2-3:臨床実地問題
「臨床実地問題」とは、患者の性別や年齢、実際の症例などの具体的な条件提示に対して、臨床実習で培った問題解決能力や思考力を問う問題を指します。
■臨床実地問題の特徴
臨床実地問題には1問3点の高配点が与えられています。
このように高配点なのは、臨床実地問題は、特に実際の臨床で遭遇する可能性が高い問題を問うためです。
歯科医師国家試験は、臨床でのさまざまな問題に、しっかり対応できる人を選抜するための試験ともいえるため、臨床実地問題は高配点になっています。
■臨床実地問題の対策
臨床実地問題で得点するためには、勘やなんとなくではなくきちんと根拠を持って正答を導きだせるよう勉強することが大切です。
基本的に、問題文の正しい解釈ができていれば選択肢の優先順位をつけられるようになり、良い点数が取れるようになるでしょう。
余談ですが、現代の歯科医療の現場では、高性能な医療機器を活用できるようになった結果、治療の質が歯科医師の腕に大きく依存するようなことが減ってきています。
そのような時代の変化から、患者当人の訴えや自分の目や耳で得た情報から疾患を診断し、適切な治療方針の提示ができることが、現代の歯科医師に本当に求められる能力になったという背景があります。
そして、それらの能力を短い試験時間内で見極めるための問題が臨床実地問題となりますので、基礎的事項を確実に抑えた上で論理的思考力を養い、一見ひねられた問題にも対応できるような対策が必要となります。
歯科医師国家試験のブループリント・出題基準の内容が理解できたでしょうか?
これらの内容を参考に、国試の受験対策のどこに重点を置くか、どこに注意すべきか、などを考えて勉強を進めていきましょう。
3章:ブループリントは改訂されることがあるため注意
ここまでも少し触れたように、ブループリントは改訂されることがあるため、注意してください。
3-1:最新のブループリントの改訂について
歯科医師国家試験の試験問題は、社会的背景などを踏まえて定期的に改訂されています。
近年では、第107回、第111回、第116回で改訂されており、4~5年に1度改訂が行われていることが分かります。
この傾向から、次回の改訂は第120回(2027年)、第121回(2028年)ごろと予想されます。
そのため、これらの回で受験予定の方は、自分が受ける年度の国試で改訂される可能性があることを覚えておきましょう。
3-2:改訂の年にあたったらブループリントをしっかり読むことが大事
改訂の年に当たる可能性がある受験生は、出題基準の改訂があるかどうか発表をチェックし、改訂される場合はブループリントをよく読んで出題割合を知っておくことも大事です。
出題基準が改訂される場合、改訂される具体的な出題基準は試験の約10ヶ月前に公表されます。
この時期は、特に情報を逃さないようにアンテナをはっておきましょう。
もし、あなたの受験年に改訂される発表があった場合、それ以降の受験対策は、これまでの過去問を解くだけでは不十分になります。
過去問に加えて、新しい出題基準に合わせた対策をしっかりと練った上で1年間勉強していくことが大事です。
参考までに、第116回の改訂では、
- 和漢薬を服用する高齢者や全身疾患を持つ者等への対応
- 医療のグローバル化に伴う国際保健
についての出題内容が追加されることが公表されました。
これを見て分かるように、歯科領域に限らない医科領域からの出題が増えています。
第116回の改訂でもそうであったように、今後はより高度な医科歯科連携の知識を問う出題が増えていくと予想されます。
あなたの年に改訂が発表された場合は、
- ブループリント、出題基準をしっかり読む
- その上で、該当する分野の知識を意識して勉強する
という対策を行いましょう。
ここまでを読んで、
- 歯科医師国家試験の受験対策に自信がない
- ブループリント・出題基準をもっとよく理解して活かしたい
- このままでは合格できない気がする
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まとめ:ブループリントの内容を把握して受験対策をしよう
歯科医師国家試験のブループリントについて、参考になったでしょうか?
最後に今回の記事の内容をまとめます。
まず、歯科医師国家試験のブループリントとは、試験委員が出題に際して準拠する基準(ガイドライン)の各項目の出題割合を示したものとその具体的な内容のことです。
ブループリントと共にチェックすべき出題基準には、下記のような内容が書かれています。
■合格基準について
- 必修問題は絶対基準があり80%以上の正答率が必要
- 領域A(総論)・領域B(各論)は相対基準が用いられている。それぞれの平均点と標準偏差を用いて設けられた基準点以上の得点が必要
■各問題について
- 必修問題:歯科医師として必須の基本的な知識を問うもの
- 一般問題:性別・年齢などの条件提示がなく、疾患や病態などの与えられたテーマについての知識を問う問題
- 臨床実地問題:患者の性別や年齢、実際の症例などの具体的な条件提示に対して、臨床実習で培った問題解決能力や思考力を問う問題
ブループリントが改訂されることについては、下記のように書きました。
- 4~5年に1度改訂が行われている
- 改訂年の受験生は、ブループリント、出題基準をしっかり読む
- その上で、該当する分野の知識を意識して勉強する
ブループリントをチェックすることは、歯科医師国家試験の受験対策としてとても重要です。
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